中国、AI研究で“追随者”から“主導者”へ 論文数世界1位、影響力も急伸

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中国上海市にある研究開発機関、上海科学智能研究院はこのほど、上海の復旦大学および欧州学術出版大手シュプリンガー・ネイチャーの研究支援サービス「ネイチャー・リサーチ・インテリジェンス」と共同で、リポート「科学のための人工知能(AI)」2025年版を発表し、2015年から24年の10年間で、世界のAI関連論文数上位5カ国・地域の顔ぶれが変化したことを明らかにした。

米中が世界のAI論文4割超占める時代へ 中国の台頭とインドの猛追が鮮明に

リポートによると、中国の勢いが特に目立った。AI関連論文数は15年に6万100本だったのに対し、24年には27万3900本にまで増え、世界の29%を占めた。論文数は18年に欧州連合(EU)を抜いて世界1位に浮上し、22年にはEUと米国の合計を上回った。インドも追い上げ態勢をみせ、15年のAI関連論文数は1万8200本で米国の3分の1に過ぎなかったが、24年には8万5100本に増え、米国(8万5700本)にほぼ並んだ。

AI関連論文の影響力を評価する被引用数でみると、米国が引き続きトップに立ち、20年は30万2200回だった。中国は15年の1万300回から20年には14万4800回と急増し、21年に初めてEUを超えた。24年の被引用数は世界の40.2%を占め、米国(42.9%)を急速に追い上げている。

中国DeepSeekの衝撃・創業者独占取材「中国AIがいつまでも米国の追随者であることはない」

中国はAIを活用したイノベーションの分野で「追随者」から「主導者」に躍進した。「専利(特許、意匠権、実用新案)」や政策文書、臨床試験における引用データを分析すると、中国の被引用数は16年に2万3200回でEU(2万2300回)を超え、19年に2万6千回で米国(1万9600回)を上回った。24年には専利、政策文書、臨床試験に引用される世界のAI関連出版物のうち、中国が41.6%を占めた。

AIとライフサイエンスが交差する分野ではEUと米国が依然として優勢を維持し、中国は3位に続いた。インドもあらゆる分野で追い上げをかけており、地球・環境、工学、人文(人的と文化)・社会分野では世界3位に入った。

注目すべきは、中国と米国が依然として世界で最も重要なAI研究のパートナーである点だ。AIに関する両国間の協力は20年をピークにやや落ち込んだものの、24年までに協力に伴うAI関連論文数は1万2200本に上り、15年の2倍に増えた。【新華社上海】

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