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中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が、韓国発のオンラインゲーム大手「ネクソン(Nexon)」の買収を検討していることが明らかになった。米ブルームバーグが6月12日、事情に詳しい関係者の話として伝えた。
テンセントは現在、ネクソンの創業者である故・金正宙(キム・ジョンジュ)氏の家族と接触し、買収の可能性について協議を進めているという。
ネクソンは1994年に設立され、代表作には「メイプルストーリー」や「アラド戦記」「クレイジーアーケード」などがある。アジアを中心に世界的な知名度を誇り、2011年には東京証券取引所に上場を果たした。6月12日の報道を受け、ネクソン株は一時急騰。16日時点の時価総額は約2兆2500億円となっている。
一方、中国メディア・貝殻財形は6月13日、テンセントに近い関係者が「テンセントはネクソンの創業者一族と接触して協議をした事実はない。ネクソンの買収も検討していない」とし、買収報道を否定したと報じた。
テンセントとネクソンは長年にわたって深い関係を築いてきた。2007年、テンセントは「アラド戦記」の中国での独占配信権を取得。同タイトルはテンセントのゲーム事業における重要な収益源となっている。最近では「The Finals」や「Arc Raiders」の中国運営権も獲得している。
テンセントがネクソンの買収を模索するのは今回が初めてではない。2019年にも金正宙氏が保有株の売却を検討したが、価格面で折り合わず頓挫していた。
テンセントのゲーム部門は、買収を戦略の中心に据えることで技術力を強化し、グローバル市場での競争力と収益を飛躍的に高めてきた。これまでに「リーグ・オブ・レジェンド」開発元の米ライアットゲームズや、「クラッシュ・オブ・クラン」で知られるフィンランドのスーパーセル、ノルウェーのファンコムなど、複数のゲームスタジオを傘下に収め、ポートフォリオを拡充。その買収戦略は「短期的には負担となるが、長期的には経営効率と競争力の向上につながる」と高く評価されている。
2025年1〜3月期決算によると、テンセントのゲーム事業は国内売上高が前年同期比24%増と堅調に伸び、海外売上高も過去最高の23%増を記録した。
(36Kr Japan編集部)
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