テンセント・ミュージック、音声配信大手シマラヤを完全子会社化 総額4000億円超で買収

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中国ネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)の音楽配信子会社テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループはこのほど、音声配信大手の喜馬拉雅(シマラヤ)を買収すると発表した。

テンセント・ミュージックは買収対価として、現金12億6000万ドル(約1800億円)に加え、発行済み株式の最大5.1986%を支払い、シマラヤを完全子会社化する。現在の株価ベースでの買収総額は、およそ28億5000万ドル(約4100億円)に達する見通しだ。

シマラヤは2012年に設立され、オーディオブックやポッドキャスト、自己啓発関連の有料コンテンツなど多様な音声サービスを提供してきた。23年末時点の月間アクティブユーザー(MAU)は3億人を超え、150万人以上のキャスター(コンテンツ制作者)を抱える。

かつてシマラヤの評価額は最高50億ドル(約7200億円)に達したことがある。それに比べると、今回の買収額は20億ドル(約2900億円)以上目減りしたことになるが、それでも「28億ドル超で大手傘下に入るのは、シマラヤにとって最良の選択だった」と見る業界関係者も多い。

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設立から13年、シマラヤの累計赤字は100億元(約2000億円)を超え、ようやく2023年になって2億2400万元(約45億円)の黒字を計上した。過去4年間で、ニューヨーク証券取引所や香港証券取引所で計4度の新規株式公開(IPO)を目指したが、いずれも頓挫した。

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テンセント・ミュージックは、買収後もシマラヤは引き続き独立して事業を運営し、ブランドや経営陣に変更はないと説明。両社は今後、コンテンツや技術、収益化などの面で連携を深めていく方針だという。テンセント・ミュージックの2025年1〜3月期の売上高は前年同期比8.7%増の73億5600万元(約1500億円)、調整後の純利益は22.8%増の22億2600万元(約450億円)と大幅に伸びた。しかし、MAUは4%減の5億5500万人で、前期比でも100万人減少している。

同社は「QQ音楽(QQ Music)」や「酷狗音楽(KuGou Music)」などの音楽配信サービスを主軸としているが、今回の買収を通じて音声サービス全般にわたるコンテンツエコシステムを拡充する狙いがあるとみられる。

*1ドル=約144円、1元=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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