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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2025年6月の新車販売(納車)台数を発表した。零跑汽車(Leap Motor)がコストパフォーマンスの高さで消費者の心をがっちりつかみ、4万8000台超を売り上げて首位をキープした。
2位は自動車中堅の賽力斯集団(SERES)がファーウェイと共同開発したEVブランド「問界(AITO)」で、4万4685台で零跑に迫った。前月2位の理想汽車(Li Auto)は4万台に届かず、3位に陥落した。
1〜6月の累計販売台数では、零跑が22万台超でトップ、理想が2位につけ、小鵬汽車(XPeng Motors)が追う形となった。
1位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の6月の販売台数は前年同月比138%増の4万8006台で、過去最高を更新した。1〜6月の累計販売台数は22万1664台となった。
零跑は6月18日に人気の中型SUV「C10」の改良版を発売、同月29日にはコンパクトセダン「B10」の予約販売を開始している。いずれも手頃な価格で高性能なEVが手に入るとあって、人気を呼ぶのは間違いない。
2位:問界
問界(AITO)の6月の販売台数は前年同月比53%増の4万4685台となり、前月の3位から2位に浮上した。1〜6月の累計販売台数は15万5104台となった。
高級SUV「M9」の販売台数は1万3718台で、50万元(約1000万円)クラスの乗用車でトップを維持したが、小米集団(シャオミ)の新型SUV「YU7」という強力なライバルも登場している。
7月1日には、一部地方政府がファーウェイ支援のEVブランド連合「鴻蒙智行(HIMA)」に対して1カ月限定の購入補助金政策を打ち出した。これが問界の販売台数増を後押しすることになるか、7月の動向に注目が集まる。
3位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の6月の販売台数は、前年同月比24%減の3万6279台となり、前月から順位を1つ落とした。レンジエクステンダーSUV「L6」の受注台数が予想に届かなかった。とはいえ、1〜6月の累計販売台数は20万3938台で、新興勢2番手をキープしている。
理想はこれまで主軸だったレンジエクステンダーEVに加え、純電動車(BEV)のラインアップを拡充している。7月には6人乗りの純電動SUV「i8」を、9月には5人乗りの純電動SUV「i6」を発売し、巻き返しを図る。
4位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の6月の販売台数は前年同月比224%増の3万4611台。1〜6月の累計販売台数は19万7189台で、すでに前年の年間販売台数を上回っている。
勢いに乗る小鵬は7月3日、スマートSUV「G7」を発売し、ライバルひしめくSUV市場に打って出た。予約販売台数はすでに1万台を超えたという。
5位:小米汽車
スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」の6月の販売台数は2万5000台余りで、前月の2万8013台からやや減少した。1〜6月の累計販売台数は約15万7000台となった。
注目の新型SUV「YU7」は6月26日に予約販売を開始すると、わずか3分で受注台数が20万台を超える記録的な大ヒットとなった。小米汽車の課題は生産能力の増強で、今のところYU7の納車には最短で33週間かかりそうだという。
中国の新興EVメーカーはこれまで、チキンレースのような価格競争を繰り広げてきた。しかし、中国政府当局が5月に過度な価格競争の是正を求めると、業界競争の方向性が変わり始めた。
消費者の意識も変化している。以前のように単に高性能さを追い求めるのではなく、地方在住者は「省エネと耐久性」を、都市部の若者は「スマートな運転体験」を、ファミリー層は「安全性と室内空間の広さ」を重視するなど、ライフスタイルに合った車選びをするようになった。
こうした市場環境の中、各社とも独自の価値を消費者に示すことが今後の課題となるだろう。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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