人型ロボット用触覚センサー“世界シェア8割”。中国「他山科技」、数十億円調達

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人工知能(AI)を活用した触覚センサー技術を手がける中国スタートアップ「他山科技(Tashan Technology)」がこのほど、シリーズA3およびA4の資金調達で総額数億元(数十億円)を確保した。出資には、中信金石(CITIC Goldstone)、中信証券(CITIC Securities)、広発信徳(GF Xinde)などが参加した。調達資金は、次世代触覚センサーチップの改良やエッジAIアーキテクチャの開発、触覚データプラットフォームの構築などに充てる予定だ。

2017年設立の他山科技は、清華大学や英マンチェスター大学出身のエンジニアを中心に構成される。19年にはマンチェスター大学と共同で、世界初となる「AI触覚センサーラボ」を設立するなど、学術的背景を強みに持つ。

製品ラインは、センサーからアルゴリズムプラットフォーム、シミュレーションシステムまでを広くカバーする。なかでも指先触覚センサー(TS-F)、ロボットハンド触覚センサー(TS-E)、視触覚センサートレーニングプラットフォーム(TS-V)、視触覚センサートレーニング用データ収集プラットフォーム(TS-VT)、触覚センサー搭載ロボット(TS-R)といった製品は、人型ロボット(ヒューマノイド)や自動車、家電などに幅広く活用されている。

触覚センサー搭載ロボット(TS-R)(画像は企業提供)

同社は世界で初めて、「アナログ・デジタル融合」のAI触覚センサーチップを開発した。これは、スパイキングニューラルネットワーク(SNN)をベースに脳型情報処理を行う産業用チップだ。これにより、触覚センサーが3次元で0.01ニュートンの力を検知する高精度な分解能を持つだけでなく、対象物から0~10センチの距離で材質も判別する近接覚の機能も備え、動的な協調検知と協調制御が可能になる。

視触覚センサートレーニング用データ収集プラットフォーム(TS-VT)(画像は企業提供)

市場環境も追い風となっている。調査会社VMRによると、世界の触覚センサー市場は2031年に355億9000万ドル(約5兆6000億円)規模へ成長する見通しだ。特に中国では人型ロボット(ヒューマノイド)が国家戦略産業に格上げされており、自律化のカギを握る触覚技術への期待が高まっている。

他山科技は、2024年の売上高が1億元(約20億円)を超え、当初主力だった自動車向けに加え、人型ロボット向けも急伸している。25年は、EV大手の比亜迪(BYD)への供給が数十万セットに達するほか、ロボット向け事業の成長率は前年比10倍超に成長し、全体の約半分を占める見込みだ。同社によると、すでに国内外で100社以上のロボットメーカーと取引があり、世界の人型ロボット用触覚センサー市場で約8割のシェアを握っているという。

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出資者の中信金石は、「触覚センサーはロボットが環境に適応し、安全に作業するための最後のピースであり、業界のボトルネックだった」と指摘。チップからアルゴリズム、センサーまでを一気通貫で手掛ける他山科技の垂直統合モデルを高く評価している。

*1元=約22円、1ドル=約156円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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