中国「ReaVis」、低コスト化でAR-HUD普及狙う 日本精機とも提携

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車載用AR(拡張現実)ディスプレーソリューションを提供する中国スタートアップ「睿維視(ReaVis)」がこのほど、蘭璞資本(Lanpu Capital)が主導するシリーズBで数千万元(数億円)を調達した。資金は、独自開発した「Parallel Vector Ghost-image Free Technology(PV技術)」の高度化、や生産能力の増強に充てる。

2021年設立のReaVisは、英ケンブリッジ大学で光学研究に携わった鄧遠博博士ら専門家集団によって創業された、現在は中国・南京市に本社を置き、ヘッドアップディスプレー(HUD)を中心とする車載ディスプレーの開発・製造を行っている。南京のほか、英ケンブリッジと上海市に研究開発(R&D)拠点を構え、河北省邢台市には自動化生産ラインを設置している。

同社の最大の強みは、独自のPV技術にある。高い互換性とコスト競争力を兼ね備えている点も特徴だ。

HUD分野では、フロントガラスを通して投影された映像が二重に見える「ゴースト現象」の解消が長年の課題とされてきた。一般的には、ガラスとガラスの間にPVB(ポリビニルブチラール)フィルムをはさみ込んで対策しているが、PVBフィルムを利用したフロントガラスは特注する必要があり、HUDの設置コストが増加してしまう。ReaVisのPV技術を採用すれば、フロントガラスの特殊加工を必要としない「ウェッジレスHUD」が可能となる。これにより、高級車だけでなく、商用車や鉄道車両への標準搭載も促す「HUD for All」の実現を目指す。

【特集】自動車のスマート化、ヘッドアップディスプレイ(HUD)がなかなか普及しない理由

製品展開では、既に量産を開始している「W-HUD」や「AR-HUD」に加え、より高度な没入感を提供する次世代機の開発を進めている。

現在開発中の多焦点表示に対応する3D AR-HUDは、1つの光学エンジンで奥行きの異なる場所に映像を表示できるため、AR映像と実際の風景との整合性が高まり、運転時の目の疲労を軽減する効果が期待されている。

また、予備研究中のホログラフィック3D AR-HUDは、LCoS(Liquid Crystal on Si)方式のホログラフィック光学エンジンによって、リアルタイムのフルカラー3D映像と連続ズームを実現するという。

「ReaVis」のAR-HUDは角度・厚み・形状の異なる各種フロントガラスに対応可能

中国のHUD市場は急成長中で、現時点では中〜高価格帯の車種を中心に採用が進んでいる。高工智能汽車研究院によると、2025年1〜9月に販売されたHUD標準搭載の乗用車は、前年同期比21.75%増の375モデル、うちAR-HUD搭載のモデルは45.78%増となった。

調査会社CINNO Researchの予測では、2025年に中国乗用車市場のHUD浸透率は約17%に達し、うちAR-HUDの標準装備率が6%となる見込み。25年から30年にかけて、HUDとAR-HUDの搭載量はそれぞれ年平均成長率14%と30%で拡大する見通しだという。

中国、HUD普及率が15%に迫る AR-HUDの標準装備率は5倍に

ReaVisは既に複数の自動車メーカーから受注を獲得しており、2026年には量産規模を大幅に拡大する計画だ。注目されるのは日本精機とも戦略的提携を結んでおり、両社はPV技術の普及と世界市場の開拓で協力する。中国発の革新的な光学技術と、日本の老舗大手の信頼・ネットワークを融合させ、車載ディスプレー市場での存在感を高める考えだ。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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