純利益率47%の「黒い黄金」、キャビア世界販売最大手の中国企業が香港上場
フォアグラ、トリュフと並ぶ世界三大珍味の一つ、キャビア。その世界最大の販売企業は、中国企業だった。浙江省杭州の千島湖を拠点とする「鱘龍科技」(ブランド名:Kaluga Queen)が6月30日、香港証券取引所メインボードに上場した。「世界初のキャビア専業上場企業」として、資本市場へのデビューを果たした。
上場初日、投資家から大きな関心を集めた。公開価格は75.50香港ドル(約1600円)に対し、初値は公開価格を36%上回る103香港ドル(約2200円)をつけた。今回の調達総額は約12億3300万香港ドル(約260億円)に上る。

4度目の挑戦で、香港上場を実現した鱘龍科技
調査会社・灼識諮詢(CIC)のデータによると、同社は2015年以降11年連続で世界のキャビア販売量首位を維持しており、2025年の世界シェアは36.1%と、2位企業の4倍以上に達する。
鱘龍科技は2003年設立。独自ブランド「KALUGA QUEEN(卡露伽)」を展開し、ルフトハンザ航空やシンガポール航空、キャセイパシフィック航空のファーストクラスに供給するほか、ミシュラン星付きレストランにも納入実績がある。また、米アカデミー賞の晩餐会でも採用された。その輸出先は欧州、米州、アジア太平洋などの46カ国・地域に及ぶ。
高い収益性も特徴だ。売上高は2022年の4億9100万元(約120億円)から2025年には7億6900万元(約190億円)まで拡大し、年平均成長率は15.4%を記録した。2025年の純利益は3億6500万元(約90億円)で、純利益率は47.5%に達した。売上高の9割超をキャビア単品が占め、海外売上比率は83.8%に上る。
一方で、上場までの道のりは平坦ではなかった。同社は2011年、2014年、2022年と3度にわたり中国A株市場への上場を試みたが、いずれも実現しなかった。2024年に新三板(中国の店頭株市場)に登録したものの、2025年8月に上場廃止となっている。今回が4度目の挑戦で、ようやく香港上場を実現した。

杭州・千島湖にある鱘龍科技の養殖基地
キャビアはかつて、野生チョウザメの乱獲により資源が枯渇し、2000年前後に主要市場で野生種の取引が禁止された経緯がある。以後、人工養殖への転換が進み、養殖技術で先行した中国が市場の主導権を握った。CICのデータによると、2025年時点で中国は世界のキャビア生産量の54%を占める最大の生産国となっている。チョウザメは孵化から採卵可能になるまで7〜15年を要するため、新規参入者が短期間で生産能力を積み上げることは難しく、この「時間の壁」が同社の参入障壁となっている。
*1香港ドル=約21円、1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)