ロボットに「移動知能」を バイドゥ元自動運転幹部創業、約12億円調達
中国のエンボディドAIスタートアップ「紐媧機器人(NeoWa Robotics)」はこのほど、エンジェルラウンドで5000万元(約12億円)を調達した。藍湖資本(Blue Lake Capital)が主導し、不同資本(Diff Capital )、共青城朴一投資(Gongqingcheng Puyi Investment)も参加した。
紐媧機器人は2026年2月に設立された。半年足らずで複数の投資ファンドや産業ファンドから資金を調達している。創業者の楊叡剛博士は、バイドゥで自動運転・ロボット研究所の責任者を務めたほか、自動運転トラック企業「嬴徹科技(Inceptio Technology)」の最高技術責任者(CTO)も歴任した。
同社はロボットの根幹である「移動能力」を重視し、身体性を伴う移動知能(Embodied Mobility Intelligence)という概念を提唱している。独自に開発した「世界通行モデル(World Traversal Model、WTM)」により、ロボットは人間のように複雑な社会環境の中で自律的に移動し、経路探索や周囲との相互作用を行いながらタスクを遂行することが可能となる。この技術は、人型ロボット(ヒューマノイド)、四足歩行ロボット、無人搬送車(AGV)、配送ロボットなど、多様な移動体に適用できる。
同社によると、独自に開発した高精度物理シミュレーションエンジン「SimWeaver」は、NVIDIAのロボット開発用のシミュレータ「Isaac Sim」を凌駕する性能を示す。データの生成速度を3倍に高めるとともに、シミュレーションから実機への移行する時の誤差を20%低減することに成功している。また、さまざまな柔軟物体の操作タスクにおいて、ゼロショット成功率91%を達成したという。
移動(Locomotion)制御やナビゲーション能力の強化に加え、「社会的行動規範(Social Ethic)」も世界通行モデルの重要な構成要素と位置付けている。現在はエレベーター内での行動学習に焦点を当て、大量のデータを活用することで、ロボットに「降りる人の優先」「列への整列」「自発的な譲り合い」といった社会の暗黙のルールを理解させ、遵守させる訓練を行っている。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)