ポルシェに排出枠、VWに技術 中国EV、「車を売る」以外の稼ぎ方

中国大手EVメーカーの小鵬集団(Xpeng)が、収入源を完成車の販売以外にも拡大しつつある。一方では独ポルシェなど海外自動車メーカーとカーボンクレジット取引をし、他方では、独フォルクスワーゲン(VW)に自動車プラットフォームやスマート化などの技術を提供することで収入を得ている。小鵬集団にとって海外メーカーは、競合相手であると同時に、顧客にもなる。

小鵬集団は9月29日、ポルシェなど複数の海外自動車メーカーと、EU、英国、オーストラリアなどの市場を対象としたカーボンクレジット取引で協力することに合意しており、取引を通じた収入が10億元(約240億円)を超える見通しを明らかにした。2026年中には5億元(約120億円)以上の収入を見込んでいるという。

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カーボンクレジット取引は、自動車のCO2排出規制への対応策として広がった仕組みだ。例えばEUでは、自動車メーカーはCO2排出量を「プール」する仕組みに参加し、複数のメーカーが新車の平均CO2排出量を合算できる。純電気自動車(BEV)は走行時にCO2を排出しないため、ガソリン車の比率が高いメーカーは対価を支払い、EVメーカーと排出量を合算することで平均排出量の引き下げが可能になる。排出目標を超えた場合、メーカーは新車の登録台数1台につき、CO2排出量が1kmあたり1グラム超過するごとに95ユーロ(約1万7000円)の罰金が科されるため、こうした協力には実際の経済的メリットがある。

小鵬集団がこうした取引を行う基盤となっているのが、海外での販売台数の増加だ。2026年4-6月期には海外販売台数が前年比81%増となり、初めて2万台を突破した。つまり一部の市場では、EVを1台販売するごとに、車両の販売収入に加えて、カーボンクレジット取引による収入も得られる可能性がある。

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技術提供もすでに事業化されている。VWは2023年に、小鵬集団の株式約4.99%を約7億ドル(約1100億円)で取得し、技術提携も始めた。その後、提携範囲はEVの共同開発からE/Eアーキテクチャなどの分野にまで広がっている。26年3月には、両社が共同開発した中国市場向けの初のモデル「ID.UNYX 08」がVWの安徽工場で量産を開始した。開発から量産に至るまで、わずか24カ月ほどだった。

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小鵬集団の決算報告書にはすでに完成車以外の事業の重要性が現れている。26年4-6月期の「サービスおよびその他」の売上高は、前年同期比93.9%増の27億元(約650億円)に達した。主に、自動車メーカーとの技術提携による段階的成果や、部品の販売によるものだ。同事業の粗利率は75.1%に達し、自動車販売の12.1%を大きく上回っている。

収入源の多角化が進む一方、会社全体では赤字が拡大している。26年4-6月期の純損失は13億4000万元(約320億円)で、前年同期の4億8000万元(約115億円)の約2.8倍になった。自動車販売の粗利率も前年同期の14.3%から12.1%へ低下した。今後、収益性を改善していけるかどうかは、自動車販売台数やコスト管理に加え、技術提携の拡大やプロジェクトの円滑な進行、カーボンクレジット取引の継続性などの確立にかかっている。

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*1元=約24円、1ユーロ=約178円、1ドル=約158円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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