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中国では、新型コロナウィルスが続くなか、多くの人が仕事再開を迎えた。こうした状況では、効率よく体温測定を行うことが感染の更なる拡大を防ぐ最も重要な手段となる。従来の非接触型体温計は一人ずつの測定となり、また、ゲート型の設備も一列に並んで測定することしかできないため、いずれも非効率的で、正確性も保証できない。大型赤外線体温測定設備は体温測定とアラートが可能だが、発熱した個人の追跡はできない。
最近、中国の低炭素社会建築・都市計画ソリューションサービス企業「零炭中心(ZERO CARBON SYSTEM)」傘下の企業「兆陽科技」が大規模の集会向けの体温測定と疑い例追跡システム「火眼金睛体温測定システム」(以下、「火眼金睛」)をローンチした。同システムの測定範囲は200平方メートルで、範囲内を通過した人の体温を0.1秒以内に100人分測定することが可能で、誤差は±0.1度だという。
体温測定後、システムはAIアルゴリズムにより、発熱者をピックアップし、個人情報をマークした上で顔認識を行う。1秒以内に疑い例のデータをサーバーに転送し、即時アラートを出すのと同時に、関連するデータベースも作成される。また、同システムは同時に疑い例の所在地の確定と移動ルートの追跡ができ、誤差は10センチ前後だという。確認した地理情報により潜在的な感染者を把握し、影響を受ける人々を洗い出すことができる。
兆陽科技のCEO陳碩氏によると、アルゴリズムはチップに集積され、毎秒数兆回のエッジ・コンピューティングができるため、設置場所に高性能なインターネット通信設備は不要で、クラウド計算能力を使わなくても稼働できるという。また、インフラについて、移動電源と4G通信を利用し迅速な設置が可能であり、電源とインターネット回線がない場所でも設置ができ、操縦者不要で自律稼働ができるという。
同社は3年前からサーモグラフィーのAIアルゴリズム事業を開始し、今回、政府からの注文を受けてから完成したソリューションを提供するまでに1週間しかかからなかった。短時間で研究開発を完了できた理由は、零炭中心がAIアルゴリズムとチップ分野で大量のノウハウを蓄積していたためである。これまで、零炭中心は「掃地僧」という自動運転清掃車を開発したことがあり、火眼金睛システムはそれと同様のチップとアルゴリズムを車両に搭載している。また、自社の自動運転車サプライチェーンシステムがあり、火眼金睛システムの生産が保証できる。今後、新型肺炎の流行が収束したあとでも、火眼金睛は自動運転車とセットで販売できる。例えば、自動運転警備巡回車、消防車、エアロスタット(飛行船)などに搭載することが可能だ。
また、陳碩氏によると、将来的には、火眼金睛システムは安全保障ロボットにインストールすることも可能であり、ロボットを改造することなく、消防用にアップグレードすることが可能だという。
現在、火眼金睛システムは、既に中国江蘇省揚州市広陵区政府と上海市瑞金康復病院から受注を受けており、区役所ビルと病院の外来病棟のホールに設置される予定だという。今後、同システムは中国の医療機器登録証書と新型肺炎対策新技術プロジェクトの資格を取得する見込みだということだ。
(翻訳:小六)
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