スパコン界の権威ゴードン・ベル賞、米中合同チームが受賞

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高性能計算に関する国際会議「SC20」が11月9日から19日にわたってオンラインで開催された。計算科学において最も栄誉ある賞のひとつでスーパーコンピュータ界のノーベル賞とも称される「ゴードン・ベル賞」の最終発表が19日に行われた。

今回ゴードン・ベル賞を受賞したのは米国と中国の科学者からなるチームの研究で、機械学習技術に基づいた新たなプロトコルの開発により、分子動力学法で扱える原子数の限界を1億個という驚異的な数字に引き上げつつ、同時に「ab initio(第一原理計算)」に匹敵する高精度でシミュレートすることができるというもの。

これにより、計算効率を従来の1000倍に引き上げた。物理モデルベースの計算手法に基づき、機械学習や高性能GPUのパワーを統合したことで、超大規模なシステムを用いる分子動力学モデルを新たな時代に導いたといえる。

受賞したチームメンバーは、カリフォルニア大学バークレー校の博士研究員である賈偉楽氏、同校副教授の林霖氏、北京応用物理および計算数学研究所計算物理実験室の研究員・王涵氏、北京大学助教授の陳黙涵氏、プリンストン大学化学学部教授のRoberto Car氏など。

ゴードン・ベル賞は1987年、国際的な計算機科学の学会である「ACM(Association for Computing Machinery)」により創設された。毎年、高性能計算の科学技術分野への適用に関してイノベーションの功績が最も顕著な研究に与えられる。創設から30年近くの間、米国か日本が開発したソフトウェアが常に賞を独占してきたが、2016年に初めて中国の研究チームが同賞を獲得した。

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