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AIを導入したIoTを手がける「宇泛智能科技(Universal Ubiquitous 、uni-ubi)」がシリーズB2で5億元(約80億円)を調達した。出資を主導したのは「華新投資(InnoVision Capital)」「当虹科技(Arcvideo Tech)」「博将資本(BOJIANG CAPITAL)」「源星昱瀚投資管理(Yuanxing Yuhan Investment)」「鴻紳資産管理(Hongshen Asset Management)」、前シリーズでも出資した「野草創投(Weed Ventures)」などが参加し、「雲岫資本(WINSOUL CAPITAL)」が単独で財務顧問を務めた。
調達した資金の用途はAIエッジコンピューティング端末の性能や出荷数の強化、光学技術やIoT向けOS「Uface」、コンピューティングにおけるデータ保全およびプライバシー保護などの研究、AI・IoTの学習と推論を融合する次世代プラットフォームやスーパーコンピューティングセンターの構築、米国での販売体系の拡大など。
宇泛智能科技は2014年に杭州市で設立され、一連のAI技術に加え、IoTのエッジコンテナであるマイクロカーネル「Uface」を自主開発して実用化し、人物認識、画像認識、映像分析・構造化などを手がけ、2015年には米マサチューセッツ工科大学による世界最高権威の顔認識データセット「Face Detection Database」で世界3位、「Labeled Faces in the Wild」で世界2位にランキングされている。
主な事業はセキュリティ全般(住宅地、工業団地、建設現場、学校など)で、業界で最も早期にディープラーニングに基づいた埋め込み式人物認識端末を発表した。動体人物認識の端末としては市場シェア1位で、年間40万台を出荷する。
端末製品は通行管理、認証、分析などの機能に分かれる。人物認証を用いたゲートセキュリティ製品、検温機、ID照合機能を一体化させた機器や、人物認証による決済端末などのハードウェア製品だ。製品設計やOS、アプリを「レゴ」に見立て、ハードウェアの部品をそれぞれ独立したモジュールとし、各顧客の細かな需要に対し積み木を組み合わせる要領で応えている。また、自社で開発したUface OSは多くの量産製品で使われており、宇泛智能科技のスマート端末はスーパーマーケット、建設現場、工業団地、住宅地など幅広いシーンでのセキュリティに取り入れられている。
同社の蘇亮亮COOによると、ハードウェア以外に重要なのは細分化された各シナリオ向けのアルゴリズムだ。ユーザーがAIに求めるものが「イノベーションの試行」から「持続可能かつ安定した価値の創出」に移り変わったことで、シナリオごとに適切なアルゴリズムを提供することが市場競争の焦点となり、各シナリオの異なる特性に合わせてアルゴリズムを調整する必要が出てきた。例えば建設現場では、就業時間前の作業員の顔は清潔だが、作業終了後は汗や砂塵で汚れている。小中学校では成長期にある生徒たちの顔は在学期間中にどんどん変わる(=顔認識に影響する要素)。
宇泛智能科技のコア技術は自主開発のハードウェアやアルゴリズムに加え、自主開発のプラットフォーム「沃土(WO)」によって構成される。沃土は2017年に初めて発表されたPaaSで、宇泛智能科技の全スマートデバイスと接続するほか、他社製のIoT機器やSaaSにも開放されており、IoT機器の通信や管理を行う。すでに各種シナリオを網羅する数万社のSaaSソリューションに接続しているという。
蘇COOは「サードパーティーのSaaSやAI開発者を常時取りまとめ、セキュリティ分野全域に向けたアルゴリズムおよび端末製品のスーパーマーケット、あるいはソリューションのマーケットプレイスを構築することでサプライヤー改革を起こしていく。AI、IoT、エッジを一体化させたPaaS戦略は来たる新インフラ時代にマッチするだけでなく、未来のスマートシティにとって毛細血管あるいは細胞となり、都市のデジタルガバナンス、入退管理、金融決済、ID認証など大規模なデジタルエコノミーへ応用していける」と述べる。
同社は中国のハイテクベンチャー向け市場・科創板(スターマーケット)への上場を計画中だ。
(翻訳・愛玉)
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