アリババ傘下ECモール、お試し出店制度を導入 目指すは審査プロセスの簡略化

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中国IT大手アリババグループ傘下のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」は今月19日から「Tmall試営業」を導入し、出店審査プロセスの簡略化を図ると発表した。出店を目指す企業は7カ月間にわたる試営業を通じて経営能力を審査され、これをクリアすれば正式出店が決まる。

同制度の導入はTmallが2009年に開業して以来初の重大なルール変更と言える。担当者は「企業の実際の運営能力をTmall店舗開設の基準とし、書類審査を簡略化させることで出店へのハードルが下がると考えている」と述べる。

Tmall公式サイトによると、出店企業は試営業期間中、本来の店舗タイプをベースにした臨時店舗を設け、最大210日の営業を経て出店審査を受ける。

ただ、すべての商品ジャンルに同制度が導入されるわけではなく、現時点では美容、セルフケア、清掃用品、マタニティ・ベビー用品の4ジャンルに限定される。

この新制度には多くの消費者から「出店のハードルが下がるということは出店企業の適性審査が甘くなるのでは?」「ブランドの品質は保証されるのか?」などの懸念の声が出ている。

これに対しTmallは「試営業の実績に応じてTmallでの運営を継続が可能かどうか判断するので、従来よりも公平かつ効率的に良質な企業を選出できるようになる」と説明する。

また、出店のハードルが下がることと審査基準が下がることはイコールではない。7カ月間の試営業期間中、出店企業は4回の審査を受ける必要があり、そのすべてに合格して初めて正式に出店が認められる。審査項目は主に売上高、サービスの質、コンプライアンス経営の3点だという。

Tmallはアリババが展開するサービスの中でも別格の意味を持つ。同社が例年開催する一大セール「双11(ダブルイレブン)」では昨年、Tmallから500万社以上が参加し、取り扱ったブランド数は25万を超えたという。GMV(取引総額)は4982億元(約7兆9000億円)に達している。なお、ライバルのECサイト「京東商城(JD.com)」のGMVは2715億元(約4兆3200億円)であった。

今月10日、アリババは独占禁止法違反により行政処分を受け、2019年の売上高の4%分に当たる182億2800万元(約3050億円)の罰金が科された。同社のダニエル・チャン(張勇)会長兼最高責任者(CEO)はこのほど行われた電話会議で「アリババは今後も出店企業と消費者へのサービスを展開し、出店企業へは参入障壁や事業コストを低減し、事業成長を促せるよう注力していく」と表明している。

最近のアリババによる複数の施策からは、同社が出店企業に約束した「参入障壁の低減」が実行に移され始めたことがわかる。2020年10月には新興企業が早期に資金を確保できるよう、Tmallとネットバンクが提携して3日間で数百万元(数千万円)の貸し付けを完了出来るようにした。

今回の「試営業期間」の設置は、一方ではプラットフォームの改善という要望に応えるものだが、もう一方ではショート動画アプリの「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」、「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」、そしてSNSアプリ「WeChat」などによるEC市場参入に対抗し、EC市場を制するための主体的な動きでもある。
(翻訳:Qiunai)

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