中国新興EV7月販売ランキング:リープモーターが初の10万台突破、独走態勢鮮明に
中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2026年7月の販売(納車)台数を発表した。零跑汽車(Leapmotor=リープモーター)が中国の新興EVメーカーとしては初めて単月10万台の大台を突破。競合との差をさらに広げた。ファーウェイEV連合の鴻蒙智行(HIMA)や小鵬汽車(XPeng)、蔚来汽車(NIO)、極氪(Zeekr)、理想汽車(Li Auto)など2位以下のメーカーの販売台数は、3万~4万台にとどまっており、零跑汽車の独走態勢が明確になり始めている。
1位:零跑汽車
零跑汽車の7月販売台数は前年同月比102%増の10万1267台だった。1~7月の累計販売台数は45万7800台となり、年間販売目標100万台の約46%を達成した。
同社は中国の新興EVメーカーとしては過去最速クラスの成長を続けており、2025年に初めて月販5万台を超え、2026年5月に8万台、6月に9万台、さらに7月には10万台の大台へ到達している。
注目されるのは、今年発売したフラッグシップSUV「D19」が初めて月販1万台を突破したことだ。20万元(約480万円)を超える価格帯のモデルは同社初であり、「低価格ブランド」という従来のイメージから脱却し、中高級市場へ進出する戦略の中核を担う。今後はもう1つのフラッグシップモデル「D99」の納車も始まる予定で、販売拡大とブランド価値向上を両立できるかが注目される。
2位:鴻蒙智行(HIMA)
ファーウェイと複数の自動車メーカーが共同展開する「鴻蒙智行(HIMA)」の7月販売台数は約4万5000台となり、前月の5万台超からはやや減少した。1~7月の累計販売台数は前年同期比13.7%増の約28万6000台となった。HIMAからは現在、問界(AITO)、智界(LUXEED)、享界(STELATO)、尊界(MAEXTRO)、尚界(SHANGJIE)の5ブランドを打ち出しており、通称「五界」と呼ばれている。
販売の中心は引き続き「問界(AITO)」シリーズだ。新型「問界M9」は発売から7週間で累計販売2万台を超え、「問界M6」も発売100日足らずで累計4万台を突破した。「智界V9」も7月単月の販売台数が1万台を超えた。
一方、ファーウェイがより多くの自動車メーカーへ先進運転支援システム(ADAS)やスマートコックピットを提供するようになったことで、市場環境にも変化が生じている。より手頃な価格でファーウェイの技術を搭載するモデルが増え、「五界」ブランドの競争環境は以前より厳しさを増している。
3位:小鵬集団
小鵬(XPeng)の7月販売台数は前年同月比4%増の3万8027台となり、3万台超を維持した。
1〜6月は主力モデルの販売が伸び悩んだものの、AI搭載フラッグシップSUV「GX」と新型セダン「MONA L03」の投入を受け、全体の販売台数は持ち直しつつある。MONA L03は7月下旬から納車が始まり、本格的な量産・納車は8月以降となる見込みだ。
海外事業も引き続き同社の強みとなっている。2026年1〜6月期の海外販売は累計で約10万5000台と、零跑汽車の約7万7000台を上回った。2030年までに海外販売100万台を目指す方針を掲げている。
4位:蔚来汽車
蔚来汽車(NIO)の7月販売台数は前年同月比71%増の約3万5900台だった。内訳は、主力ブランドの「NIO」が約2万台、セカンドブランドの「楽道(ONVO)」が1万155台、サードブランドの「firefly(蛍火虫)」が5771台となり、3ブランドすべてが高い伸びを示した。
1~7月の累計販売台数は22万7100台となり、前年同期比68%増で過去最高を更新した。
高級EVブランドの「NIO」、中価格帯の「ONVO」、小型EVブランド「firefly」という3ブランド体制が徐々に定着し、多ブランド戦略の成果が現れ始めている。李斌CEOは「当社は新たな成長サイクルに入った。2026年は40~50%の成長を実現できる可能性がある」との見方を示した。
5位:極氪
極氪(Zeekr)の7月の販売台数は前年同月比111%増の3万5837台となり、過去最高を更新した。
7月末には5人乗りの大型ラグジュアリーSUV「極氪9X」を発売し、高級EV市場での存在感をさらに強めている。近年は販売台数だけでなく平均販売価格も上昇しており、中国の高級EV市場で着実に地位を固めつつある。
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6位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の7月販売台数は3万468台と、前年同月比で約13%減少した。とはいえ、創業から7月末までの累計販売台数は176万4000台に達し、依然として中国の新興EVメーカーでは累計販売台数首位を維持している。
ただし、レンジエクステンダー(REEV)SUV市場の競争激化を背景に、販売の伸びは鈍化している。現在は純電動SUV「i6」が販売を支えているが、今後投入予定の「i8」「i9」が再び成長をけん引できるかが焦点となる。
その他:小米汽車
小米汽車(Xiaomi Auto)は具体的な販売台数は公表していないものの、7月も3万台超の販売を維持したとみられる。
5月以降、3カ月連続で月販3万台超を維持しており、1~7月の累計販売台数は約20万台。年間販売目標に対する達成率は約40%となった。生産能力の拡大が続くなか、今後も安定した販売拡大が期待される。
このほか、深藍汽車(Deepal)、極狐汽車(ARCFOX)、嵐図汽車(VOYAH)などのブランドも、7月の販売台数が前年同月を上回った。
7月は例年、中国自動車市場の閑散期となるが、EV市場は引き続き堅調だった。中国乗用車協会(CPCA)によると、7月の新エネルギー乗用車小売販売台数が約98万台となり、市場浸透率は64.5%まで上昇する見通しだという。
零跑汽車が規模の優位性をさらに拡大させる一方で、鴻蒙智行、小鵬集団、蔚来汽車、極氪、理想汽車といったメーカーは3万~4万台のレンジで激しい競争を続けている。7〜12月期は各社とも新型車の投入や海外展開を加速させるとみられる。中国EV市場の競争は販売規模だけでなく、ブランド力やグローバル展開力を巡る争いへと進んでいきそうだ。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)