アリババ系タオバオ、テンセントWeChatと連携。独禁法強化も影響か

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アリババ系タオバオ、テンセント系WeChatと連携。独禁法強化も影響か

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中国のIT大手アリババグループが運営するECプラットフォームのタオバオ(淘宝網)が、ライバルのテンセントが運営するスーパーアプリWeChat(微信)でミニアプリをリリースすることがわかった。ミニアプリは「親友省銭購」と名付けられ、テスト段階にある。タグラインは「毎日がボーナス、気軽に節約」で、ソーシャルコマースの機能を持っているという。

アリババは1カ月前にもソーシャルコマースプラットフォーム「盒馬集市」のミニアプリをWeChatでリリースしており、「アリババとテンセントが和解した」と受け止められている。今回の新ミニアプリリリースにあたっては、大手IT企業による独占への規制を背景に、アリババとテンセントが再び手を組んだ形だ。

親友省銭購の開発元は、企業データべース「天眼査(Tianyancha)」によると、アリババ関連会社が大株主となっている企業だ。名称からみてわかるとおり、このミニアプリは「親友(中国語で家族・親戚と友人の意味)」の間で利用されるものであり、いわゆるソーシャルコマースを扱っている。家族や友人と一緒に利用すれば安く商品が買えるプラットフォームで、タオバオが提供するボーナス制度やクーポン券、割引制度などを余すところなく知人間で共有し、節約ができるツールだ。

ミニアプリ内ではグループをまとめる団長や本日の目玉商品などの情報がみられる。団長は毎日グループ内やモーメンツ(タイムライン)でおすすめ商品をシェアして購入を促し、商品が売れれば相応のキックバックがもらえる。さらに毎月最低36元(約600円)のボーナスを、現金や特売商品の購入権などの形で得られる。

親友省銭購で取り扱う商品にはお友達価格も設定される。また、自身を経由して家族や友人が買い物をすれば相応の謝礼金がもらえる。謝礼金は次回以降、購入価格から差し引かれる形で利用でき、他のクーポンとも併用できる。

その運営モデルは、現在中国で最も流行となっている知人間のリーダーが販促を行うものだ。京東(JD.com)の例でみると、団長は出店業者に代わって行う販促活動の中でおすすめ商品をPRしていく。販促を通じてヒット商品を仕掛け、購入を促し、販売数や出店業者への評価を上げ、売上高に応じて出店業者からサービス料を受け取る。

京東に加え、ソーシャルコマースの代表格「拼多多(Pinduoduo)」の団長も主な販促活動をWeChatで行っている。商品リンクをモーメンツやコミュニティに投稿し、無数に拡散させていくバイラルマーケティングの形式で新規客を獲得するほか、販売数も引き上げていく。

拼多多が7億2000万人のユーザーを抱えるに至ったのもWeChatを活用したからに他ならない。WeChatが有する豊富なアクセス量とバイラルマーケティングの機能によって、拼多多は猛スピードで地方市場を開拓するとともに、熱心なユーザーグループをいくつも生み出した。京東はWeChatミニアプリをとっかかりとして、1億人以上のユーザーを取り込むことに成功している。

タオバオはこれまでWeChatが有するSNSのリソースを喉から手が出るほど欲しがってきた。今回タオバオからリリースされる親友省銭購も無論、SNSコミュニティと低予算の運営モデルをWeChatから享受する意図があるのだろう。ただし、ライバルも多い中で親友省銭購の優位性は見えてこない。運営モデルもその他の競合とさほど変わらない。親友省銭購が現在主に取り組んでいるのは、宣伝活動と商品レビューの制度固めだけだ。

いずれにしろ、アリババ系のタオバオは初めてテンセントのSNSリソースに踏み込んだ。これが意味することは大きい。アリババとテンセントの二大テックジャイアントは、それぞれのコア事業で協力の糸口をつかめるだろうか?
(翻訳・愛玉)

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