「売るほど赤字⋯」中国自動車業界、利益率3.2%に低下

大手自動車メーカーの1~3月期決算が出そろうにつれ、中国自動車産業では「売上は伸びても利益が伴わない」という圧力が一段と鮮明になっている。国家統計局のデータによると、自動車業界の販売利益率は3.2%まで低下し、製造業の平均6%を大きく下回り、業界全体への警鐘となっている。

今年1~3月期、中国自動車の生産台数は前年同期比6.9%減、販売台数は同5.6%減となった。業界全体の総収入は2兆4100億元(約55兆円)とほぼ横ばいだった一方、利益は同18%減の784億元(約1兆8000億円)に低下した。1台あたりの採算性も圧迫されている。同期1台あたりの売上高は前年同期比5.4%増の33万7000元(約780万円)だったが、販売コストは29万9000元(約690万円)まで上昇。その結果、粗利益は同13.2%減少した。

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企業間の二極化が加速している。一部のトップメーカーは、規模のメリットやブランド力、海外市場への展開によって利益を維持しているが、販売低迷や生産設備の稼働率の低下、さらには粗利がマイナスに陥る企業もみられ、業界の資源配分効率にはなお課題が残る。業界関係者は、利益率の低下は業界全体への警鐘だと指摘する。中国自動車市場が長年続けてきた「値下げによる販売拡大」モデルは限界に近づきつつあり、価格競争の圧力はすでにサプライチェーンにも波及し、キャッシュフローや研究開発投資にも影響を及ぼしている。

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政策面では、「大規模な設備更新」と「消費財の買い替え」を柱とする「両新」政策や、過当競争の是正を重視する方針が市場環境の改善につながるとみられている。ただ、業界が構造転換を実現できるかどうかは、依然として各企業の経営戦略に左右される。今後は、販売台数だけでなく、規模拡大と安定収益、継続投資を両立できるかが競争力の鍵となるだろう。

売れない国内、急拡大の海外——中国自動車市場、1〜3月期の明暗

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(36Kr Japan編集部)

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