視覚効果(VFX)開発の「Studio 51」、動画に埋め込むPP広告の自動配信プラットフォームを発表

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視覚効果(VFX)技術の開発に注力する「星河視效科技(Studio 51)」が1億元(約17億円)近くを調達した。シャオミ(小米集団)が出資を主導したほか、三七互娯(37 Interactive Entertainment)と華文創投(Huawen Venture Capital)および既存株主の「摯信資本(Trustbridge Partners)」が出資に加わった。

星河視效は3年をかけて、同社が「Video IN」と呼ぶコンテンツ内埋め込み広告を制作・配信する世界初のプラットフォーム「NEURO」を完成させた。プラットフォームでは、AIやVFX(視覚効果)エンジンなどさまざまな技術を駆使して動画コンテンツ内に仮想の広告枠を作り、リアルタイムレンダリング(描画)で広告を挿入して、ネイティブ広告を配信することができる。(編集部注:ネイティブ広告とは、ニュース記事や映像のコンテンツの体裁と一体化し、両社の視聴体験を妨害しない広告)

現在、同社は優酷(Youku)や百度視頻(Baidu Video)など多数の動画配信サイトと独占的な提携を結んでいるほか、愛奇芸(iQiyi)やテンセントビデオ(騰訊視頻)など複数のプラットフォームとも踏み込んだ戦略提携を行っている。

埋め込み型の広告としては作品中に特定商品を登場させるプロダクトプレイスメントがあるが、制作プロセスが煩雑な上、コンテンツ撮影時までに広告映像を完成させる必要があるため、広告主にとって負担が大きい。星河視效のNEUROなら動画プラットフォーム上の膨大なコンテンツの中から挿入可能な広告枠を自動で識別し、自動トラッキングや色調補正、レンダリング技術などを使って、適切なシーンと位置に広告を埋め込むことができる。仕上がりは自然で、コンテンツに溶け込むネイティブ広告を実現している。

現在、動画配信プラットフォームで主流となっているインストリーム広告やフローティング広告は、ユーザーの視聴体験を損なうものであり、有料会員の比率が高まっている状況下では広告を増やすのにも限界がある。星河視效のVideo IN広告なら、広告主は動画が配信されている地域やユーザー像に基づいてピンポイントの広告を表示でき、全く新しい成長市場を生み出すと期待される。

ここ数年、ショート動画の大手プラットフォームが毎年数千億元(数兆円)の広告収入を得ている一方で、長編動画プラットフォームの広告収入は大きな打撃を受けてきた。今後、Video IN式の広告が主流になれば、長編動画のユーザー体験が向上するだけでなく、プラットフォーム・コンテンツ制作者・広告主いずれにとっても大きなビジネス効果を生むだろう。星河視效のNEUROの出現は動画広告のシーンに新しい成長効果をもたらし、新たなビジネスの構図を形作っていくはずだ。

三七互娯の投資責任者は次のように語る。

「星河視效の『有料会員にも見てもらえる広告』は全く新しいタイプの広告だ。さまざまな種類の動画コンテンツ内に埋め込んで広告表示数を最大にすることができ、どのフレームでも広告の表示が可能になる。長編動画プラットフォームだけでなく、ショート動画やカラオケ、家庭用テレビ、自動車内のディスプレイなど動画コンテンツを視聴できる場面全てに応用できる。同社が開発したNEUROはプラットフォームのコンバージョン率を大幅に向上させ、コンテンツやブランドの中長期的な価値を高めてくれるはずだ」
(翻訳・畠中裕子)

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