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AI 技術駆動型のIT企業「領創集団(Advance Intelligence Group)」が、シリーズDで4億ドル(約440億円)以上を調達したと発表した。出資を主導したのはソフトバンク・ビジョン・ファンド2、「華平投資(Warburg Pincus)」で、「北極星資本(Northstar)」、シンガポール経済開発庁傘下の投資ファンド「EDBI」も出資に参加した。今回の資金調達後の領創集団の評価額は20億ドル(約220億円)を上回り、シンガポール最大級の独立系ITスタートアップになった。
2016年、AIを活用したサービスを手がける「領創智信(ADVANCE.AI)」がシンガポールで設立された。陳斕傑CEOは清華大学ソフトウェア学院を卒業後ゴールドマン・サックスでのシニアアナリストなどを経て、現在は「金沙江創投(GSR Ventures)」のパートナーも務めている。
同社は当初の企業向けサービスから次第に個人向けにも事業を拡大してきた。ADVANCE.AIはデジタルID認証、詐欺防止およびリスク管理をワンストップで行うソフトウェア管理プラットフォームで、企業のユーザー管理能力の向上を支援する。個人向けの「Atome Financial」は、傘下に後払い決済サービス「Atome」、オンライン融資サービスの「Kredit Pintar」と「ND Finance(崇天小貸)」を擁する。このほか、ワンストップのECプラットフォーム「 Ginee(聚霊)」がある。
2020年8月、同社は組織を統合して「領創集団(Advance Intelligence Group)」を立ち上げ、資本、技術、地域をまたいだマネジメント経験などの強みを生かしてグローバル化戦略を進めた。
陳CEOは「この3事業は密接に関連している。ADVANCE.AIは中核事業で、AIとビッグデータの技術を活用し、海外の中堅・大手法人ユーザー800社以上にサービスを提供している。Atomeは消費者市場向けのプラットフォームで、支払いサービスのほか、店舗へのアクセスを誘導する役割も果たす。Gineeは企業向けネットワークで、オンラインとオフラインの複数のチャネルを管理する」と話す。
陳CEOはさらに「弊社は早くから業務センターを東南アジアに置いたITスタートアップだ。2015~16年に東南アジア市場で時間を費やし、資源を投入したIT企業は多くない。領創は16年から顔認証などコンピュータビジョンの応用シーンに関わるローカルデータを蓄積し始め、これまでに大量のデータを蓄えてきた。これは新規参入者が数日で解決できる問題ではない」とも語った。
昨年、領創集団はコロナ禍がもたらしたチャンスをつかみ、事業を拡大させた。当初の東南アジアと中華圏から、現在では南アジア、ラテンアメリカ、アフリカ市場にまで拡大し、12の国と地域で事業を展開する。25年には売上高が20億ドル(約2200億円)に達する見込みだ。
AtomeとGineeは昨年から急成長を遂げている。Atomeの急成長はオンライン、オフラインの小売業者が販売を促進し、客単価や転化率を引き上げ、新しいユーザーにリーチしようと新しい方法の模索を続けているおかげだ。Gineeは従来型小売業者のオンライン店舗開設および複数のルートを管理しようとする流れに乗り、領創集団のバックエンドの ERP(Enterprise Resource Planning、企業資源計画)とフロントエンドの DMP(Data Management Platform、データ・マネジメント・プラットフォーム)が東南アジア市場で大きく成長した。
同社は2021年末に日本と韓国に進出するほか、ラテンアメリカやアフリカでさらなる市場拡大を狙う。
(翻訳・二胡)
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