「次のスタバ」を目指す新興勢、熾烈さを増す中国コーヒー業界

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新興スペシャルティコーヒーブランドの「三頓半(Saturnbird Coffee)」が上海市にコンセプト店舗をオープンして1カ月余り、今度は「永璞咖啡(YongPu Coffee)」が1号店を上海にオープンさせる。時期は今月末または11月初めだという。

「時翠咖啡(Secre Coffee)」や「隅田川珈琲(TASOGARE)」、三頓半、永璞珈琲など、新型コロナウイルス流行中にオンライン事業で力をつけた新興コーヒーブランドが今、オフライン展開の前哨戦に入っている。

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時翠咖啡は昨年末に深圳にカフェを出店。隅田川珈琲は上海市や浙江省杭州市などに期間限定のポップアップ店舗を出店するなど、オフライン展開に向けたテストを進めている。三頓半はそれより前の2019年、湖南省長沙市にテスト店舗を出店している。「鷹集珈琲(S.ENGINE COFFEE)」は、すでに上海市や江蘇省南京市などに出店してノウハウを積んできてはいるが、さらに激化することが予想される競争と無縁ではいられない。

新興コーヒーブランドはオンライン販売を軸に急成長を遂げた。過去3年、三頓半の売上高は毎年2〜3倍の成長率を維持し、ユーザーのリピート率は50%近くに達していた。今年上半期の売上高はすでに昨年1年分を超えている。永璞咖啡は2017年にコールドブリュー(低温抽出)コーヒーベースの販売を開始。今年は中国最大級のECイベント「618セール」での売上高が前年同期比300%増の3000万元(約5億3000万円)近くに上り、ECモール「天猫(Tmall)」のコーヒーベース部門売り上げ1位を2年連続で獲得した。時翠咖啡がTmallに参入したのは2019年12月。ドーナツ型のドリップバッグが注目を集め、Tmallの国産ドリップバッグコーヒー部門で売り上げ1位を獲得した。

三頓半に出資する黄海氏は、新興ブランドが成功を手にした秘訣は「新たな販売チャネル」で「新たな顧客層」をつかみ、「新たな商品」を打ち出したことだと指摘する。

永璞咖啡の創業者・候永璞氏は「コーヒーはそもそもオフラインにマッチする商品だ。ブランドの長期的な成長という観点で考えれば、オンラインとオフラインを合わせた運営が最適だろう」と語った。

しかし、オンライン事業とオフライン事業の運営方法は全く異なる。オンラインで成功した経験がそのままオフラインで生かせるわけではない。両方を成功させたブランドはまだ出てきていない。

業界関係者によると、オフライン事業すなわち実店舗の展開はもろ刃の剣なのだという。新たな顧客獲得やブランドの知名度向上につながる一方で、以下のように大きなリスクも潜む。

一つ目は採算性だ。店舗の利益のほとんどは家賃に消える。人件費も上昇している。

二つ目は品質管理だ。管理が行き届かないとブランドそのものの評判も下がる。オンラインで取り扱う商品は品質管理をしやすいが、店舗で提供する商品の品質管理には、サービスや運営方法、バリスタの能力などさまざまな不確定要素が影響する。

三つ目に問われるのは、戦略チームに判断力や管理能力があるかどうかだ。上海市内のスターバックスで店長を経験したことのある人物は「新興ブランドがオフライン展開するためには、それぞれのスタイルに合うサプライチェーンと商品構成の検討が必要になる。事業部間のリソース配分も検討しなければならない。組織が大きくなれば管理の難易度も上がる」と指摘した。

中国の市場調査会社「艾瑞諮詢(iiResearch)」は、中国のコーヒー市場の規模が昨年の3000億元(約5兆3000億円)から2025年には1兆元(約18兆円)に成長すると予測する。オフライン市場がより大きく成長する可能性は十分にある。

現在の実店舗数上位3社は、スターバックス(5987店舗)、「瑞幸珈琲(luckin coffee)」(5064店舗)、欧州発の「コスタコーヒー(Costa Coffee)」(406店舗)の順となっている。「Manner Coffee」など実店舗中心に事業展開する新興ブランドも急速に力をつけている。オフライン事業での成功を目指す三頓半などの新興ブランドは、さまざまな試練に立ち向かうことになるだろう。

(翻訳・Qiunai)

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