次世代SSDを支える「TenaFe」のメモリーコントローラー、高速インターフェースにも対応

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次世代SSDを支える「TenaFe」のメモリーコントローラー、高速インターフェースにも対応

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SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)コントローラーを開発する「TenaFe(特納飛)」がシリーズBで5800万ドル(約66億2000万円)を調達した。「順為資本(Shunwei Capital)」が出資を主導し、ほかに「北極光創投(Northern Light Venture Capital)」「Tyche Partners」「張江高科(Zhangjiang Hi-Tech)」などが加わった。

今回調達した資金の用途は主に4つあり、今年第4四半期に予定しているPCIe4.0対応のDRAMレスSSDコントローラー「TC2200」のOEM市場への投入、コンシューマー向けおよびデータセンター向けソリューションの開発、世界的に不足するチップの安定した生産能力確保、人材拡充と市場プロモーションに活用される。

本社を北京市に置くTenaFeは、ストレージ業界に造詣の深い李孟坤(Mike Lee)氏が同業界のエキスパート数名と2019年に設立した企業で、主にSSDコントローラーの開発を行っている。現在、複数の取引先から予約注文を受けており、今年末から量産に入るという。

SSDは主にNAND型フラッシュメモリー、コントローラー、インターフェースで構成されており、TenaFeはこのうちのコントローラーに関わるソリューションを提供している。コントローラーにはファームウエアが組み込まれており、アクセス制御やフラッシュメモリーの管理、自動修復など重要な機能を担っている。

TenaFeのデータによると、SSD市場はコンシューマー向けの流通チャネル市場・OEM市場、データセンターや企業向けのエントリーエンタープライズ市場・ハイエンドエンタープライズ市場の4つに細分化している。2023年にはこれら市場の比率はそれぞれ33%、56%、7%、4%になると予測されており、コンシューマー向け市場が全体の89%を占める見込みだ。

TenaFeがリリースしたDRAMレスSSDコントローラーTC2200は、独自開発の最先端エラー修正エンジン「FlexLDPC」を採用し、最新のTLC(トリプル)およびQLC(クアッド)NANDフラッシュテクノロジーにおいて、最高レベルの低レイテンシー(遅延時間)、サービス品質(QoS)、耐久性を実現した。製品はノートPCやゲーミングPC、エッジコンピューティングなどに使用される。

総経理で技術副総裁の修宸氏はTenaFeの強みに以下4つを挙げている。

一つ目は手がける製品の将来性。2019年から開発を始めたTC2200は中国で唯一、高速インターフェースPCIe4.0に対応しているDRAMレスのSSDコントローラーだ。半導体大手インテルもPCIe4.0接続を採用した製品のリリースを予定しており、この規格が今後の主流になるとみられる。またDRAMを省いたDRAMレスSSDもコンシューマー向け市場のトレンドとなっている。

二つ目は低い消費電力。同社のTC2200は電力消費量が競合製品よりも20~40%低く、待機電力は1ミリワット以下。放熱シートは不要で、稼働中に速度低下が起きる回数は同条件の競合製品よりも少ない。

三つ目はチップ産業における経験。同社メンバーは、いま市場で広く流通しているストレージ製品の研究開発や生産に従事してきたため、大規模量産の経験やノウハウを持っている。

四つ目はウエハー工場の生産能力を確保していること。世界的なチップ不足を受けて、ウエハー生産工場では今年中に来年の生産を計画し、フォトマスクやウエハーなどの生産予定を確定した。修宸氏は、フルマスクでテープアウト(設計完了)できる企業だけがウエハー工場の生産能力を最大限に活用できると語る。TenaFeは競合他社に先駆けてフルマスクのテープアウトを実現した企業だ。

現在、TenaFeは100人以上の従業員を抱え、米国カリフォルニア州キャンベル、上海市、武漢市、深圳市にも支社を設けている。
(翻訳・畠中裕子)

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