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新エネルギー車(NEV)の部品製造を手掛ける「匯北川(Hoverbird)」がシリーズAで1億元(約18億円)を調達したことがわかった。「和利資本(CTC Capital)」が出資を主導し、「指数資本(Index Capital)」が単独で財務アドバイザーを務めた。今回調達した資金は、新製品の開発、実験室の設備強化、生産規模の拡大に充てられる。
匯北川は1998年に設立、深圳市に本社を置く。新エネ車の電気駆動システムと電気の安全確保を中心にしたソリューションを提供する電子部品メーカーで、製品の独自開発、生産、販売を行っている。
新エネ車の登場から10年近く経つが、量産能力があり確実に基準を満たせる車載用部品メーカーが中国には不足しており、新エネ車に欠かせない材料や技術はいまだに海外メーカーが握っている。自動車業界はガソリン車から新エネ車へ、化石燃料技術から電気駆動へと変革を遂げ、スマートアシストから無人運転へと技術の革新も進んでいる。これは長い歴史を持つ自動車産業にとって新しいチャンスだ。
同社は設立初期には電子部品技術サービスと代理販売を行っていたが、2007年から事業内容を変更し、新エネ車関連の電子部品を開発するようになった。
新エネ車が従来のガソリン車と異なるのは「三電(動力電池、駆動モーター、電気制御システム)」技術だ。匯北川の製品は電池と電気機械の熱管理システムに使われている。主に温度センサー、温度圧力一体センサー、煙センサー、レゾルバ(走行用モーターを制御するための回転角センサー)などがある。
匯北川の劉斌CEOによると、同社のフィルムコンデンサの強みは耐電圧性に優れ、ESRが低く、無極性で、性能が安定しており寿命が長い点だという。システムデザインも簡略化されており、過酷な環境でも安心して利用できる。これらの優れた特性は車載用部品としても最適だ。
NTCセンサーは、セラミック半導体と様々なパッケージ技術で開発された温度検知デバイスだ。劉氏によると、匯北川はセラミック半導体技術で優れたリソースと優位性を持ち、自動車へ応用できる技術も長年蓄積してきたという。同社のNTCセンサーは業界トップレベルの測定精度と1PPM(100万分の1)未満の不良率という高品質を誇り、製品の小型化、高精度、高信頼性に強みがある。
現在は製品ラインを拡大している。既存のセンサー製品をベースに、動力電池の熱管理システム、CCS(クルーズコントロールシステム)モジュール、取り外し可能なセンサーモジュールなどを開発。温度センサー関連では、圧力センサー、温度圧力一体センサーなど各技術を組み合わせたセンサーを開発中だ。
匯北川の強みはその技術力だ。また車載用部品の生産能力も備えている。車載用部品は安全性に関して高いレベルが求められ、欠陥ゼロが要求される。匯北川は不良率をPPM1ケタのレベルに抑えている。
市場に関して劉氏はこう話す。車載用の温度センサーは技術の難度も市場参入のハードルも高く、中国国内には大ロットで納品できるメーカーが少ない。海外メーカーは日本、欧米企業が主力となっている。フィルムコンデンサのメーカーは国内外に多いものの、車載レベルの製品を生産できるメーカーは少なく、中国国内ではわずか数社にすぎないという。
同社は世界的にサービスを提供する能力もある。技術面では日本企業とチップやモジュールに関する熱管理システムの設計と製品の製造で提携し、すでに国内外で多くの動力電池や電気機械製品のメーカーにサービスを提供している。現時点で100社以上の顧客を持ち、製品は国内外の新エネ車300車種以上で利用されている。中国新エネ車最大手の「BYD(比亜迪)」から優秀サービス賞で表彰されたほか、数多くの賞を受賞している。
創業者の劉氏は復旦大学でEMBAを取得。起業して22年を迎え、自動車電子業界に豊富なリソースと経験を有する。同社の中心となるチームはそれぞれNTCを主とするセンサー技術に30年以上、フィルムコンデンサに40年以上の経験を有するメンバーなどから構成されている。同社の技術センターと研究所には30人余りの技術専門家がいるほか、業界で50年近い経験を持つ日本のベテラン専門家を3人、顧問として迎えている。
(翻訳・山口幸子)
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