おむつの替え時や発熱を通知、赤ちゃんケア用品をスマート化する「凡米科技」

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マタニティ・ベビー用品のスマート化を推進する「凡米科技(Fanmi Technology)」は、マイクロチップ開発技術を活用して独自の機能を備えた製品を開発している。現在、コンシューマー向けには耳式体温計、シール型体温計、おむつセンサー、ナイトライトの4製品を展開している。

耳式体温計:アプリで検温記録を自動管理できるほか、内蔵されたチップが耳管の湾曲や鼓膜の位置を検知して、正しい挿入角度をガイダンスしてくれる。

シール型体温計:肌に張りつけるだけで検温でき、発熱したり脱落したりするとアラート音で通知する。また、室温など周囲の温度も計測できる。無線通信チップを内蔵しており、乳児が別室にいても体温の変化をモニタリングできる。

おむつセンサー:乳児のおむつが濡れた時、それを感知して連動アプリに通知する。紙おむつの外側に装着すると、排尿したことを知らせるだけでなく、排尿するタイミングも事前に予測する。排せつ物から赤ちゃんの栄養状況をチェックしたり、紙おむつの通気性や吸水性などをチェックしたりできる。

ナイトライト:ABS樹脂製で、寒色系・暖色系の光源を併用しており、調光と省エネルギー性に優れる。創業者兼CEOの李卓東氏は、同製品をIoTの入り口にしたいとの考えを示している。

売れ行きが好調なのは体温計の2製品で、来年には販売数30万個を見込んでいる。

現在、製品の3割はオンラインショップで、7割は実店舗で売れている。今年の実店舗での販売数は7万個で、主にデパートや専門店で取り扱われている。また、売り上げの3割は中国本土以外で、中でも50店以上のデパートで販売されている香港は重要な市場だ。

同社はIoT企業としてメーカー向け製品を展開することも模索中で、OEMからの脱却を目指している。

例えば、紙おむつメーカーと提携して、センサーを内部に組み込んだ製品を開発している。おむつの外側にセンサーを装着する形式では、おむつ交換の際に誤って一緒に捨ててしまうおそれもあるからだ。また、高齢者用おむつは前出のナイトライトと紐づけて、おむつが吸収した排せつ物の量を光の色で表現する機能を実装する計画だ。

他にも、センサーを活用できる場面はさまざま。汗の量を感知する子供服や、子供の居場所を特定できる靴などの開発も進んでいる。今後は子供用品だけでなく、女性向け製品の展開も視野に入れている。

凡米科技の主要メンバーの多くは電子科技大学(UESTC)の出身で、半導体メーカーや研究所で経験を積んでいる。CEOの李卓東氏は米「テキサス・インスツルメンツ」で無線チップのマーケティング戦略などに従事。CTOの王中克氏は「上海航空航天研究所」でマイクロ波、短波分野に携わった。COOの王小波氏はEDAソフトベンダー「華大九天軟件(Empyrean)」でマイクロチップの試験作業などに従事。CPOの頼波氏はIT関連機器メーカー「鋭捷網絡(Ruijie Networks)」でサプライチェーン統括を担当した。同社は現在、シリーズAでの資金調達を計画中だ。
(翻訳・愛玉)

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