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メタバース(仮想空間)に主軸を置いたソーシャルプラットフォームの「BUD Technologies」(以下、BUD)は、シリーズBで3680万ドル(約48億円)を調達した。今回の資金調達はセコイア・キャピタル・インドが主導し、「鍇明投資(ClearVue Partners)」、中国ネット大手「ネットイース(NetEase=網易)」、「北極光創投(Northern Light Venture Capital)」がコ・インベスターとして参加した。既存株主の中国大手ベンチャーキャピタル「紀源資本(GGV Capital)」、「啓明創投(Qiming Venture Partners)」、「源碼資本(Source Code Capital)」も出資に加わった。
BUDは、米スナップ出身のエンジニアであるリサとショーンによって2019年に共同設立され、本社はシンガポールにある。BUDは世界をリードするメタバースのUGC(ユーザー生成コンテンツ)プラットフォームであり、どんな文化的、教育的背景の一般ユーザーでも、簡単なノーコードツールを使用し3Dインタラクティブコンテンツを簡単に作成できるといった際立った特徴を備える。
共同創業者のリサCEOによると「現在、BUDプラットフォーム上にあるUGCのオリジナル3D作品は1500万を超え、3D素材の取引総数は1億5000万回以上に達した。また、2021年11月のグローバルリリース以来、BUDは北米、南米及び東南アジア地域など38か国においてSNSアプリランキング上位10位に入っている」という。
あらゆるインターネットプラットフォームのアプリケーションの中で、世界中の若者達の注目の的となることが長期的な目標だ。リサ氏は「次世代のメディアはテキスト、写真、ビデオなどの従来のメディア形式に限定されず、より没入型でインタラクティブな方向に発展する。BUDはユーザーが即座にクリエイターになれる3DのUGCプラットフォームであり、筋金入りのゲーマーやプロフェッショナルだけではなく、誰もが個性やアイデアを披露する大舞台だ」と語る。
クラウドネイティブでノーコードの3Dツールを使用することにより、ユーザーは創造力を最大限に発揮し自分なりの3Dインタラクティブコンテンツを作成できる。専門的なプログラミングやモデリングの知識を習得しなくとも、BUD内に組み込まれた幾何学的モジュールとインタラクティブなアイテムを使用すれば精巧な3Dインタラクティブシーンの構築が可能だ。さらに、テキスト、写真、音楽、ビデオを追加したり照明と周囲の背景をカスタマイズし、より没入感のある仮想世界を創り出したりすることもできる。
アドビが発表した予測データによると、世界のクリエイティブソフトウェアおよびクリエーターエコノミーの市場は2024年に630億ドル(約8兆2000億円)に達し、ユーザー規模は20億人に達する見通し。経済的に発展している北米地域のほか発展途上の南アジア、アフリカ等でも多くのZ世代(2000年代以降生まれの若者)とミレニアル世代(1981~96年生まれの世代)がコンテンツクリエーターになることを夢見ている。
プロダクトのリリース以来、さまざまなソーシャルプラットフォームにおいてBUDプラットフォームで作成された精巧なインタラクティブシーンが公開され、多くの人々を驚かせている。精巧な出来栄えであるためプロがPCのグラフィックソフトウェアで作成したものと誤解されがちだが、実際には一般ユーザーがBUDのモバイルアプリを使用して作成したものであり、これらの一般ユーザーもデジタルアセットを拡散・運営している。共同創業者のショーン氏は「BUDは若者にとって3Dコンテンツの作成をより身近で気軽にできるものに変えた。今後も3D媒介ビジネスモデルの無限の可能性を探求し、作品のマネタイズ等を通じて質の高いクリエーターエコシステムを構築していく」 と話す。
今回の資金調達のリード・インベスターであるセコイア・キャピタル・インドのAakash Kapoor副総裁は「BUDはZ世代向けのメタバースのUGCプラットフォームを構築し、3Dコンテンツの作成を誰もが簡単にできるよう取り組んでいる。目下1000万以上のユーザーがBUDプラットフォーム上で作成したコンテンツを他のソーシャルメディア上で共有し、爆発的な広がりを見せている。創業者がBUDを立ち上げた熱意が伝わった。将来のローカリゼーションと成長計画に興奮している」と話した。
(翻訳・大沢みゆき)
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