心血管疾患、早期発見がカギ。中国新興企業、AI活用のパッチ型長時間心電図で解決

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心血管疾患、早期発見がカギ。中国新興企業、AI活用のパッチ型長時間心電図で解決

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中国では心血管疾患の患者が3億4000万人に達し、悪性新生物(がん)の患者数を超えて国民の死因の1位となった。心血管疾患で最も恐ろしいのは突然死を引き起こすことだ。突然死で絶対的多数を占めるのが心臓性突然死で、中国では毎年55万人、1日平均1500人が心停止で亡くなっている。

心血管疾患は症状が現れにくいため、中国の新興企業「楽心平江科技(InnoMedi)」はダイナミック心電図検査が可能となるパッチ型心電計を開発し、長時間かけて継続的に検査することで心臓に潜む健康リスクを洗い出せるようにした。2022年8月にはBluetooth接続で常時モニタリングが可能な家庭用心電計の第2世代製品をリリースしている。

同製品は第1世代、第2世代のいずれもが中国人民解放軍総医院、首都医科大学附属北京安貞医院、浙江大学附属第一医院など中国各地の90余りの三甲医院(中国の関連当局が定めた医療機関の等級で最高位にランクされる病院)と提携している。

楽心平江科技は2017年に設立され、医療機器や健康管理に関するソフトウェアとハードウェアの一体化設計・開発をするテック企業だ。心血管疾患の観察・管理を出発点に、自社で開発したダイナミック心電図記録器を中心に据え、記録器とAIを活用したデータ解析プラットフォームとが連携する早期スクリーニングと心臓疾患管理のソリューションを打ち出している。

楽心平江科技の製品

現在、病院の心電図検査には2種類ある。1つは一般的な心電図検査で、受検時の短時間における心臓の電気的活動を観察・記録するものだ。もう1つはホルター心電図と呼ばれるもので、24時間継続して検査が行われる。しかし、いずれの方法でも検査時間が十分でないことには変わりない。検査の最中に急性の発作が起こったり発症したりしないかぎり、心臓に潜む多くのリスクは見過ごされてしまう。

例えば心房細動はよくみられる不整脈の1種であり、中国では毎年、脳卒中患者の3分の1が心房細動を発症原因としている。心房細動の患者が脳卒中を引き起こすリスクは非罹患者の5〜6倍だ。仮に脳卒中発症前に心房細動を発見し、治療できれば、こうしたリスクも低減できる。

楽心平江科技の朱軍CEOは「心臓疾患は多くの場合、ゼロかイチかに帰結する。発症して手遅れになるか、発症していないかのどちらかだ。そのため、問題を早期に発見できるか否かが最も重要なカギとなる」と述べ、日常的なモニタリングが特に重要だと強調した。

同社の初代製品および2代目製品はいずれも医療機器(II類)として認証されている。低消費電力のプロセッサーを搭載したことで1日24時間体制で最長10日間の心電図を記録できるようになり、イベント検出率も従来の28%から90%以上にまで高まった。2代目製品では体温・体動・心臓の電気的活動の3つを感知するセンサーを使い、多角的なデータを集めると同時にBluetooth経由でスマートフォンアプリと連携してリアルタイムデータを出力する。収集されたデータはソフトウェアで解析され、専門的な医療レポートが作成される。

朱CEOによると、同社は長時間測定のほかに3つの技術的強みを持っている。1つ目は電気回路の静電遮蔽だ。生活環境に敷かれた電源配線が心臓の電気信号の収集を阻害するため、これを改善する目的で同相信号除去比を国際規格の60dB(デシベル)の2倍にまで大きくしている。2つ目は每秒250回に達するサンプルレートで、米国の有名デジタルヘルスケア企業「iRhythm」の製品と比較しても2倍にあたり、より多くのデータを収集できる。3つ目は防水等級IPX7に相当する防水性能を有することで、入浴、水泳などにも耐え、日常生活に支障が出ない。

会社は現在、シリーズBでの資金調達を準備中だ。将来的にはデータ分析のクラウドプラットフォーム構築を目指しており、慢性疾患の経過観察・分析・管理に活かし、AIを活用したオーダーメイド医療の情報管理や慢性疾患の総合管理を実現していく計画だ。

(翻訳・山下にか)

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