アリババ傘下アント・フィナンシャル、MaaS企業「哈羅出行」へ再出資

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モビリティシェアリング事業を手がける「哈羅出行(Hello TransTech)」が、新たに3~4億ドル(約320億~430億円)を調達する予定であることがわかった。中国のテック系ニュースメディア「全天候科技(All Weather TMT)」の報道によると、資金調達後の同社の評価額は40~50億ドル(約4300億~5400億円)になると見られる。

報道によると、同社は米中から調達を行うという。中国側からはアリババグループ傘下の金融企業アント・フィナンシャル(螞蟻金服)が出資するほか、「華興資本控股(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)」、「光源資本(LIGHT HOUSE CAPITAL)」が出資に参加する。ウォーバーグ・ピンカスも参加する可能性があると報じられている。FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)業務はシティグループが務める。なお、これらに関して哈羅出行はコメントしていない。

2014年8月の創業以来、同社は14回にわたり、200億元(約3200億円)以上を調達している。今回の出資者であるアント・フィナンシャルはシリーズD以来、これまでに5回の出資を行っている。

画像提供:企業情報サービス「天眼査」

もともとシェアサイクル事業から出発した同社は、「哈羅単車(Hello Bike)」から「哈羅出行(Hello TransTech)」にサービス名を改め、昨年10月にはオンライン配車事業に乗り出している。今年1月には乗り合いタクシー事業も開始。6月にはアント・フィナンシャル、世界最大手の車載用電池メーカー・寧徳時代新能源科技(CATL)と共同で10億元(約160億円)を投じ、電動二輪車向けのバッテリー交換サービス事業を立ち上げた。

アント・フィナンシャルが運営する個人信用評価システム「芝麻信用(セサミ・クレジット)」を活用することにより、一部の利用者はデポジット免除制度も適用されるようになった。資金面においても、アント・フィナンシャルはまさに哈羅出行の強力な後ろ盾だ。さらに、モバイルインターネット関連調査会社「Quest Mobile」の調べでは、哈羅出行は集客の70%をアント・フィナンシャル傘下の決済サービス「アリペイ(支付宝)」に頼っている。

シェアサイクル業界は今年になって利用料引き上げに踏み切り、同社もこれに追随する形で値上げを行った。北京地区で15分ごとに1元(約16円)としている。

楊磊CEOによると、昨年10月時点で、同社のシェアサイクル事業は国内100以上の都市で純利益を確保している。今年に入っての値上げが利用数や売上高にどの程度影響するかは未知数だ。また、年初からスタートした乗り合いタクシー事業に関しては、昨年より社会問題化している乗客の安全確保対策や、これに関連する政策の締め付けによる影響は見逃せない。また、始動したばかりのバッテリー交換事業に関しては、アセットヘビー型事業であるため、現段階では大規模な投資を進めている状況だ。

同社の直近の資金調達は昨年12月で、当時の評価額は25億ドル(約2700億円)だった。共同創業者で執行総裁を務める李開逐氏によると、今年1月には評価額が50億ドル(約5400億円)にまで上昇したというが、FA筋の情報によると、今回の資金調達における同社の評価額は50億ドルを割る可能性があるという。
(翻訳・愛玉)

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