セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
パナソニックホールディングスとソニーグループの有機EL事業を統合し、2015年に発足した「JOLED(ジェイオーレッド)」が3月27日、経営破綻を発表し、同日中に民事再生手続きの開始を申請した。 負債総額は337億円。
JOLEDは日本国内の工場2カ所を閉鎖し、製造・販売部門などで働く約280人の従業員を解雇する。技術開発部門は液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)に移管するという。
中国家電大手のTCLは20年、JOLEDに対して300億円の戦略的出資を実施しており、TCL傘下のディスプレイパネルメーカー「華星光電技術(CSOT)」がJOLEDの株式10%余りを保有する大株主となっている。両社はインクジェット方式による有機ELパネル生産で緊密な技術協力を進めてきた。
TCLは早い段階で、JOLEDの経営破綻に備えていたようだ。3月30日に発表した22年12月期通期の決算では、JOLEDに対して約3億1900万元(約60億円)の減損引当金を計上している。
財務上の損失は避けられないが、これまでの技術協力により、TCLは製品開発や生産プロセスの設計で一定の成果を収めている。具体的には、CSOTのエンジニアがJOLEDの生産ラインで、インクジェット方式による有機ELパネルを用いた65インチ・8Kディスプレーの試作機の開発に成功したことなどが挙げられるという。
*23年4月3日のレート(1元=約19.2円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録