寧夏の風土で良いワインを作る。中国ワイナリー「西鴿」、受賞歴多数で輸出も伸ばす

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寧夏の風土で良いワインを作る。中国ワイナリー「西鴿」、受賞歴多数で輸出も伸ばす

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ワイン醸造を手がける中国スタートアップ企業「西鴿観蘭(Xige Guanlan)」(以下、「西鴿」)がシリーズA+で中信農業産業基金(CITIC Agri Fund)から資金を調達した。調達資金は主にサプライチェーンの整備とマーケティングに充てられる。同社の資金調達はこの1年で2度目であり、前回は昨年7月のシリーズAで数億元(数十億~百数十億円)を獲得している。

2017年に設立された西鴿は「寧夏の風土で良いワインを作る」ことを目標に、中国ワインのストーリーを世界に伝えることを目指している。現在は寧夏回族自治区の賀蘭山東麓に3万ムー(約2000ヘクタール)余りのブドウ園を所有、うち1万5000ムー(約1000ヘクタール)が樹齢20年を超えるブドウ園で、年間でワイン1000万本を生産できる。

同社は最新のワイン醸造技術や設備を導入し、ワイン作りの要となるブドウ栽培と醸造工程をコントロールすることで品質を確保している。また、中国の大学と共同で「ブドウ園スマート農業」システムを開発、生産者がブドウ園の状況をリアルタイムで把握し、科学的また標準化された方法で栽培プロセスを管理できるようになった。

西鴿

西鴿のワインはここ5年間で100件以上の国際的な賞を受賞している。社名は昨年「西鴿酒荘(Xige Estate)」から西鴿観蘭に変更された。

西鴿によると、2022年の輸出実績は前年比500%増加し、英国に輸出したワインは単一ロットの輸出額が同年の寧夏回族自治区で最高を記録した。またオーストラリアの新市場も開拓している。

同社は5年をかけて開発した最高級赤ワイン「藤上藤」を第108回全国糖酒商品交易会(糖酒会)の開催中に発表した。会長の張言志氏によると、「藤上藤」は樹齢26年のカベルネ・ソーヴィニヨンと中国の固有品種カベルネ・ガーニッシュをブレンドした赤ワインで、草本のほのかな香り、味わいの深さ、きめ細かくなめらかな熟成タンニンが特徴だという。

中国のワイン産業は現在、整理・再編の段階にある。ある業界専門家は酒造業界の専門メディア「酒業家(Jiuyejia)」に対し、2022年は前年よりもコロナ禍の影響が大きかったにもかかわらず、中国ワインは増収増益を達成したと説明している。特に中国政府が打ち出す「国内の大きなサイクルを軸に、国内と海外の2つのサイクルを相互に促進する新たな発展パターンを形成する」方針の下、支援政策の発表など中国のワイン産業を後押しする要素が増えており、新たな転機を迎えたという。

張言志氏は、マクロ環境は不透明だが、ワインの需要は増え続けていることを背景に同社が設立されたと説明。向こう数年は中国のワイン業界が再編期を迎える見通しで、ブランドが資本の受け入れを図り、中国ワインとして発展を模索していくことになるとの見方を示した。

西鴿の酒蔵

(翻訳・大谷晶洋)

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