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小型無人車を開発する「優時科技(Youshi Technology)」は7月、エンジェルラウンドで1000万元(約1億5000万円)を調達した。調達した資金は主に製品アップグレードや量産規模拡大と納車に用いられるという。
同社は2018年3月創業で、主にコンピュータービジョン技術を活用した「ラストワンマイル」の無人車ソリューションを提供し、次世代物流(ニューロジスティック)や小売り(ニューリテール)業界を支えている。ている。
同社は2018年6月にシードラウンドで数百万元(数千万~1億数千万円)を調達している。同社の林錇森CEOによると、物流の「ラストワンマイル」を手がける国内市場では、アリババや京東集団(JD.com)、美団点評(Meituan-Dianping)などが無人車の開発をしているが、その大半は並列処理対応のLiDARを採用しており、導入コストは10~40万元(約150万~600万円)だ。同社はビジュアル技術のみで無人車を運用できるため、1台あたりの導入コストを数千元(数万~14万円)まで下げているという。低コストのため、コンビニやスーパーマーケット、喫茶店などの小規模業態にも浸透させることができ、大手との競合が避けられる。
同社の無人車は自動運転機能を備えている以外に、全地形対応で走行し、衝突防止安全装置が搭載されている。高さ10センチ程度の縁石も乗り越えられ、方向変換も可能だという。また、自動で充電を行うため、人よる操作を全く必要としない。
林氏によると、すでに受注数は300台を超えており、2020年には1000台以上の無人車が商用として納車および稼働する見込みだという。同社は中国国内の大手日用品メーカーや日本・韓国のデリバリー、物流プラットフォームと提携しており、年内に無人車の大規模な納車と実用化を実現する計画だ。
今回の出資を主導した「英諾天使基金(INNOANGEL FUND)」のパートナー周全氏は、「自動運転車は、限定的なシーンで低速走行するタイプが最も実用化しやすい」と述べ、優時科技について、「コンピュータービジョンにおける独自のアルゴリズムによって、屋外で直面する数々の複雑な状況をVisual SLAM(SLAM=自己位置推定と周辺地図作成)が解決し、これがLiDARを代替することで、大幅なコスト削減を実現している」とした。
英諾天使基金でディレクターを務める馬瑞氏は、優時科技の強みは「技術の利用によるコストの優位性」にあり、効率の良い収益モデルや迅速な業務により、規模効果やネットワーク効果を発揮させている。また、同社は設計、シャーシ、機械構造からビジュアルセンサーまでフルスタックの自社開発力を有していると評価した。
(翻訳・虎野)
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