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商品パッケージのデザインから生産までをワンストップで行うサービスプラットフォーム「小象智合(ELE007.com)」が、生成AIを活用した独自のデザインシステム「ELEAI」を発表した。対話形式で指示を出すだけで、包装資材のデザインから印刷・パッケージングまでを行えるようになる。
小象智合は包装資材に特化した産業用インターネットプラットフォームで、北京に本社を置く「大家智合(北京)網絡科技」が2015年に立ち上げた。包装資材のオンラインデザインやSaaS、生産管理システム、ブランド一貫性管理システムなどワンストップのソリューションを通じて、迅速かつ柔軟な包装資材のデザイン・生産サービスを企業に提供している。
創業者の陳彦CEOは「消費市場と消費者行動がめまぐるしく移り変わるなか、生産効率やニーズの多様化、サステナビリティに対応したパッケージにするため、ブランドも頭を悩ませている」と語る。調査機関の共研産業研究院によると、中国の包装デザイン業界は2023年に市場規模が349億8000万元(約7100億円)に達すると見込まれている。
しかし、パッケージ印刷業界は集約度の低い産業で、生産能力が過剰なうえ産業効率も悪く、デザイナーや技術者の経験値に大きく依存している。こうした状況のもと、小象智合は独自開発のスマートミドルオフィスを通じて、印刷プロセス処理や管理システムを含む包装資材のサプライチェーンを顧客に提供し、デザインからサンプル製作、生産工程までをデジタル化することで連携させた。
AIモデル+SaaSで広がる独創性
AIモデルがプロのデザイン作品を大量に学習して得た「美的感覚」や「デザインロジック」を活用することで、さまざまな商品の特徴を自動識別して視覚的要素を組み合わせ、アイデアあふれるデザインプランを生成できるようになる。こうして生成AIはパッケージデザインを含む主要なデザイン分野でも長期的な足場を築き上げた。
小象智合が発表した独自開発のデザインシステムELEAIは、業界に特化した言語モデルや画像生成モデル、3Dレンダリングモデルなどコアアルゴリズムや事前学習モデルを統合したものだ。ひと言で生産・納品までの全プロセスを完結でき、考えていることをそのまま形にできるようになる。
今ブームとなっているMidjourney(ミッドジャーニー)などの画像生成AIとは異なり、生成AIをパッケージデザインに応用することは簡単そうに見えて、実は非常に難しいのだという。パッケージデザインでは、生成したコンテンツをさまざまな箱の展開図に対応させる必要がある。指定のサイズやエリア内で各面のイメージやカラー、テキストをデザインしながら、商品バーコードやQRコードなど必要な情報も入れ込まなければならない。このためスタイルやデザインセンスなどのビジュアル要素を一切抜きにして、商品として使えるデザインをAIで完成させるだけでも、多くの技術を組み合わせることが必要だ。
AIの性能だけでは十分な技術的優位を築けないため、小象智合は既存のSaaSシステムや蓄積してきたデータを生かしてAIの独創性を伸ばし、新商品の開発や特定チャネル向け商品、季節限定品といった多様なニーズに顧客がすぐさま対応できるようにして、コスト削減や効率化をサポートしている。
現在、小象智合の中心的な顧客は食品、飲料、コスメ・スキンケア、医薬品・ヘルスケアなど幅広い業種に広がっている。中国EC大手の京東(JDドットコム)や漢方薬専門店・同仁堂、広東料理店・広州酒家、在宅フィットネスサービスKEEPなどを含む600以上のブランドが、パッケージデザインやパッケージング工程の開発、サプライチェーン管理や生産管理などのサービスを利用している。
(翻訳・畠中裕子)
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