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中国の農村で「村超」と呼ばれるアマチュアサッカーリーグに続き、自然に囲まれながらコーヒーが味わえる「村珈(村カフェ)」が新たなブームになりつつある。都市周辺の農村ではネットで注目を集める「網紅店」が数多く誕生している。
浙江省安吉県の梅渓鎮紅廟村にある「深藍計画」カフェは、藍色の湖と切り立った岩場を眺めながらコーヒーが飲める人気店。年間の来客数は35万人、1日当たり最大で8千人に上り、村に年間600万元(1元=約20円)余りの収益をもたらしている。
北京市郊外の密雲区には村カフェが10店以上もある。西田各荘鎮龔荘子(きょうそうし)村の「風児CAFE」は1日当たりの売り上げが2千元。渓翁荘鎮金叵羅村の民宿「老友季」にある広さ100平方メートルのカフェでは毎月3万~5万元の売り上げがあるという。
雲南省南西部の辺境にある保山市新寨村は「中国一のコーヒー村」と呼ばれ、70年に及ぶコーヒー栽培の歴史を持つ。2017年に「産業による観光の活性化」を打ち出し、従来のコーヒー栽培産業の転換と高度化を推進。わずか4年で村のコーヒー生産高が10倍近く増えた。今年は1億2千万元を見込んでいる。
村カフェは「デジタルノマド」にとって「充電スポット」にもなっている。都会の人たちは自然の中で飲むコーヒーが格別においしいことに気付き、「山を望み水を眺めつつ、コーヒーの香りを楽しむ」という憧れのライフスタイルを農村で見いだした。
農村の発展は出稼ぎに出ていた若者のUターン起業も増やしている。故郷の村で運営に携わる浙江省安吉県余村の丁文文さんは、現在の農村は誰もが憧れる自然環境に加え、交通やインフラも整備されていることから、多くの人が日常の生活では味わえない感動を求め、農村に関心を持つようになっていると話す。
村カフェ人気の背景には、農村観光ブームとカフェ文化の定着がある。生活の質へのこだわりや自然環境への関心が高まる中、農村の文化や風習を感じながら普段と違う時間を過ごしたいと考える人が増えている。交流サイト(SNS)の影響力も人気に火が付くきっかけになった。
村カフェのほか、田んぼキャンプや芸術研修などのコンテンツも農村振興のけん引役となっている。「村超」から「村珈」まで、農村の潜在力が注目を集めている。(新華社北京)
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