リアルタイムに地形を検知、高性能の車輪付き四脚ロボット「逐際動力」が40億円を調達

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リアルタイムに地形を検知、高性能の車輪付き四脚ロボット「逐際動力」が40億円を調達

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汎用脚型ロボットの開発を手がける「逐際動力(LimX Dynamics)」がエンジェルラウンドとプレシリーズAで計2億元(約40億円)近くを調達した。エンジェルラウンドは峰瑞資本(FreeS Fund)、智数資本(Stalagnate Capital)、明勢資本(Future Capital)、昆仲資本(Kinzon Capital)などが出資、緑洲資本(Vitalbridge)が主導したプレシリーズAには聯想創投(Lenovo Capital and Incubator Group)も参加した。調達資金は主に車輪付き四脚ロボットの開発、人型ロボットとエンボディド人工知能(AI)の技術研究に充てられる。

2022年に設立された逐際動力は広東省深圳市に本社を置き、汎用脚型ロボットの開発に注力している。すでに車輪付き四脚ロボットの製品を発表しており、人型ロボットの技術研究も進めている。

同社が9月に発表した車輪付き四脚ロボットは、脚部に車輪を組み合わせ、高性能の関節機構を複数採用したユニークなロボットだ。このロボットはリアルタイムに地形を検知し、難易度の高い階段の上り下りを含むあらゆる地形に対応できる。

創業者の張巍氏によると、脚型ロボットはまだ地形への対応力が低く、ほとんどが「検知力が弱い」段階にあって移動効率も低いため、製品化が進んでいないという。同社の車輪付き四脚ロボットは脚型ロボットの移動性を高めたもので、平地では車輪を使って動き、複雑な地形では脚部によって踏破性を高め、地面や芝生、階段などを含むあらゆる地形での移動を可能にした。このロボットは一般的な四脚ロボットより3~4倍速く移動でき、同じ消費エネルギーではより長い距離を移動できるという。

活用シーンは産業分野の巡回検査、物流・配送、特殊作業、科学研究・教育などを想定しており、年内に予約販売を開始する予定だ。

張氏は「多くの顧客とやり取りする中で、既存の四脚ロボットは地形や効率に対する需要に応えられてないことが分かった。当社は業界を代表する特徴的な顧客と共に、ベンチマークとなる事例をつくろうとしている」と話した。

同社のコアチームはロボット分野に10年以上携わっており、世界をリードする検知ベースの運動制御アルゴリズム、脚型ロボットの強化学習アルゴリズム、独自開発した高性能の関節機構を手がけている。これによって、実用的な脚型ロボットを効率良く開発できたほか、エンボディドAI にも目を向けている。

大規模言語モデル(LLM)が大きく注目されると、人型ロボットは将来的に大規模言語モデルが搭載される可能性の高い分野と考えられるようになった。大規模言語モデルは人型ロボットに広範な知識を有する大脳を与え、外部との円滑な対話を可能にするため、タスクの理解や分析、推理などの「意思決定」能力を付与することができる。

張氏は人型ロボットの研究開発に関わった経験がある。だが同社は技術研究力と先行者メリットを保ちながら、人型ロボットの製品化を急がない方針だという。

「人型ロボットの技術はまだ成熟しておらず、多くの基幹技術に関する研究も終わっていない。平地を数歩移動する人型ロボットの開発はそれほど難しくないが、当社は人型二足歩行ロボットにあらゆる地形を移動できる能力を持たせたい」と語った。

(翻訳・大谷晶洋)

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