ブロックチェーン技術によるクラウドサービスの「CLOUDBAY」 遊休計算資源の利用で低コストを実現

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ここ数年、ブロックチェーンとクラウドコンピューティングが科学技術のホットトピックとなっている。ブロックチェーンについては、現在の産業チェーンでは主にモバイルアプリのバックエンド機能を提供するためのBaaSプラットフォーム、ソリューション、および金融業界での応用が多く、その応用分野は最初のデジタル通貨から次第に広がっている。また、クラウドコンピューティングについて、現在、アマゾン傘下の「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」やアリババ傘下の「アリババクラウド(阿里雲)」などの大規模なクラウドサービスプロバイダが提供する中央サーバー方式が主流だ。

では、ブロックチェーンとクラウドコンピューティングが融合したら、どうなるのか。

36Krでは最近「雲湾科技(CLOUDBAY TECHNOLOGY)」を取材した。アリババクラウドやテンセント(騰訊)傘下の「テンセントクラウド(騰訊雲)」等の大規模なクラウドサービスプロバイダが、企業向けコンソーシアムブロックチェーンプラットフォームを提供しているのに対し、雲湾科技は分散型(Decentralized)ネットワークで遊休計算資源をターゲットにし、中小企業が負担可能なサービスを提供する。消費者の遊休設備、ビジネス用小型データセンター(ネットカフェ等)、クラウドサービスプロバイダが皆そのネットワークに接続可能で、計算資源となる。

現時点でのクラウドコンピューティングのマーケットシェアは、殆どAWS、アリババクラウド、テンセントクラウド等の大手に握られ、彼らは高度に集中したサーバー資源と自社産業チェーンの資源に依拠し、市場競争における優位性を保持している。しかし、この状況は市場におけるクラウドサービス価格の高騰にもつながっている。また、中央サーバー方式の場合、遊休計算資源が発生しやすくなる。雲湾科技が採用した分散型コンピューティングの優位性はまさに低コストな点にある。

市場の需要があるのか

分散型コンピューティングの技術的応用シーンには、以下の特徴がある。1)一時的計算能力の需要が大きい、2)非核心的データ処理、3)設備間のデータ交換の需要がない。

よって、雲湾科技はまず「優酷(YOUKU)」、「愛奇芸(iQIYI)」、「快手(Kwai)」等の動画サイトをターゲットにしている。その理由は、雲湾科技の創業者に動画サイトで長年の勤務経験があるほか、オンライン動画配信、特にハイビジョン画質配信のピーク時の大量なデータのキャッシュや処理に対する需要があるからだという。

動画配信サイトのほか、雲湾科技はAIの機械学習に必要な画像シミュレーションにも注目している。シミュレーションはデータの仮説を立てるため、分散型ネットワークを利用して各シーンを複数台の分散型デバイスに送信して個別に検証し、演算結果を返送して解析することができる。

技術の鍵とは何か

分散型クラウドコンピューティングを実現する鍵はデータセキュリティである。完全準同型暗号(FHE: Fully Homomorphic Encryption)により、プロセス中に復号する必要がなく、データのセキュリティの問題を解決できる。例えばクラウド環境では、ユーザーはデータを暗号化してクラウドに保存しているため、クラウド上ではデータの内容を入手できず、データのセキュリティが保護される。また、FHEであるため、クラウド側は暗号文データを任意に計算することができる。同社はChainwareのネットワークにさまざまな異種デバイスの接続を許可している。また、分散型のトランザクションの詳細はチェーンに記録され、システムの正常な作動を保証している。ブロックチェーンの性能は秒間1000トランザクション(TPS)を達成できる。

一方、計算結果の信頼度の問題も業界の課題である。業界や学界でも様々な解決策が提案されているが、一般的にはどの解決策でもシステムに著しく負荷をかけることとなる。一方、分散型ネットワークにおける計算設備はデータセンターのサーバーと異なり、どれか一つの設備でも未認証のまま任意の結果を返すと、結果全体が信頼を得られなくなる。また、分散型ネットワークの設備の計算能力はまちまちであり、各CPUの間で計算力に応じてタスクをどのように割り当てるのかも、分散型ネットワークの課題である。雲湾科技はブロックチェーンのアーキテクチャーを構築すると同時に、上述の課題も解決した。現在、当社が開発した200万行近くのコードがあるシステムには、分散型ネットワークをサポートできる有効で実装可能な機能が複数含まれている。

雲湾科技は2018年に設立され、本社は米国にある。ブロックチェーンによるサーバーレス計算、計算証明、計算量測定などの分野において多くの特許を出願している。創業者のHector Zhang氏は「ファーウェイ(華為技術)」で長年勤務したことがあり、また、チームメンバーには、元ノースカロライナ大学の教授やバンクオブアメリカの銀行員などがいる。
(翻訳:小六)

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