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香港の高等法院(高裁)は1月29日、経営再建中の中国不動産大手「中国恒大集団(China Evergrande Group)」に「清算命令」を出し、実質的な法的整理を命じた。恒大集団の負債総額は2兆元(約42兆円)を超え、債務超過に陥っている。高裁は、同社の債務弁済と債務再編が進んでいないことを理由に、今回の決定を下した。
陳静芬(リンダ・チャン)裁判官は審理のなかで、恒大集団が経営陣を交代する可能性を指摘した。同社の許家印会長はすでに、法律違反の疑いで「強制措置」(身柄拘束)を受けている。
裁判官が任命した清算人は、同社の事業が持続的に運営できるよう最大限努めるとし、可能な限り事業の維持・再編・継続を優先する方針を明らかにした。
恒大集団の清算申し立ては2022年6月に行われ、今回の決定までに1年半以上を要した。裁判官は債務再編の進展を待つとし、清算命令の決定を延期していた。清算人は、清算命令は恒大集団のみを対象としており、同社の子会社、とくに中国本土で事業を展開する子会社に直接的な影響はないと強調した。
このニュースを受け、1月29日の恒大集団の株価は急落、香港取引所は同社と子会社2社の株式取引を停止した。取引停止前の恒大集団の株価は前日比24%安の0.163香港ドル(約3円)、傘下の電気自動車(EV)メーカー「恒大新能源汽車集団(Evergrande New Energy Auto Group)」は18%安の0.229香港ドル(約4円)、傘下の不動産管理会社「恒大物業集団(Evergrande Property Services Group)」は3%安の0.39香港ドル(約7円)だった。
翌30日、香港取引所は恒大新能源汽車集団と恒大物業集団の株式取引を再開した。親会社の恒大集団については、取引停止が続くとみられる。
*2024年1月30日のレート(1元=約21円 1香港ドル=約19円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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