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中国の大手動画共有サイト「bilibili動画(以下、ビリビリ)」の副社長兼COOである李旎(Carly Lee)氏がマーケティング大会「AD TALK2019」で、「2020年、我々は全てのブランドパートナーにビジネスエコシステムをオープン化する」と述べ、商業化を加速させる計画を初めて明らかにした。
オープン化の対象となるリソースには、中国国産アニメ14作品、ドキュメンタリー15作品、バラエティ6作品が含まれる。そのほか、動画投稿主30名との連携、eスポーツ・バーチャルアイドル等その他11作品が、初めてオープンリソースエコシステムに加えられた。
今年で誕生10周年を迎えたビリビリは、今や月間アクティブユーザー(MAU)1億1000万人を誇る巨大アプリに成長した。コンテンツは15カテゴリに分かれ、全体の約90%を占めるのが、PUGV(Professional User Generated Video)と呼ばれる、プロ又は一般ユーザーが制作して投稿する動画だ。
PUGVが豊富なコンテンツを展開していくにつれ、ビリビリの商業化計画も本格的に始まる。今年6月に開かれたビリビリ創立10周年大会で、陳睿(Chen Rui)CEOは、同社が取り組むべき課題として、ユーザー数の増加と商業化の推進に加え、動画投稿主の収益化支援も重要だと強調している。
2019年度第2四半期決算によると、ビリビリの純損失は3億1500万元(約47億2500万円)だった。ブランド力向上、チャネルの開拓、新規顧客の獲得が最優先課題に挙げられているが、それにはそれなりの資金が必要だ。
一方、広告主にとってビリビリは非常に魅力的な媒体である。ユーザーの定着率が高く、投稿主とファンの間ではインタラクティブ動画を通じてコンテンツやビジネスに関するコンセンサスが得られるため、広告掲載には最適な場所と言える。さらに、新たな消費者グループとして注目されるZ世代(1995年以降に生まれた若者を指す)がユーザーの多数を占めているため、広告主が効果的なマーケティングを展開できる。
しかし、動画内広告はユーザーにとって煩わしい存在でもある。ビリビリは、設立当初から「永遠に動画内広告は流さない」とし、ユーザーの支持を得ていた。そのため、2016年にアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」内で広告が流れた際には、一部のユーザーから非難の声が上がった。この時ビリビリは、著作権者の要求に応じたものだと釈明し、陳CEOは「ビリビリが倒産することはあっても本質を変えることはない」と改めて表明した。
ユーザー数やコンテンツの種類が急速に拡大する中、ビリビリの場合、長期継続しているユーザーの数が際立って高い。今年第2四半期のデータでは、ユーザーの定着率は80%を超える。幅広い層から支持を得ているからこそ、ビリビリは自信をもって商業化への道を進むことができるのかもしれない。
とはいえ、絶えず新規ユーザーが加入し、広告事業が拡大する中で、ユーザーの満足度を維持し続けるのは容易なことではない。
写真:ビリビリより
(翻訳・桃紅柳緑)
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