転ばない電動バイク「OMOWAY」が量産へ ジャイロ制御技術を二輪車に初応用

二輪モビリティに特化した新興ブランド「OMOWAY(目蔚科技)」がこのほど、シンガポールで2026グローバル技術発表会を開催し、自律バランス制御機能を搭載した同社初のスマート電動バイク「OMO X」が量産段階に入ったと発表した。同時に、共通のアーキテクチャで開発した次世代単輪型モビリティロボット「Mobility One」も披露した。

OMOWAYは2024年に設立され、中国EV大手・小鵬汽車の共同創業者である何涛氏らが設立した次世代スマートモビリティ企業だ。広東省広州市で研究開発およびサプライチェーン管理を行い、シンガポールでブランド運営とグローバル資本戦略を担い、インドネシアのジャカルタに完成車の生産と販売機能を置く「トリプル・ヘッドクォーター」体制で運営されている。現在はシリーズAの資金調達を開始しており、Monolith(砺思資本)の主導ですでに数千万ドル(数十億円)を確保。調達資金は主に、量産・納車体制の整備とグローバル市場の開拓に充てる予定だという。

電動バイク新興「OMOWAY」、数千万ドルを調達。「倒れにくい」バイクで日系メーカーの牙城に挑む

倒れないバイクを実現したジャイロ制御技術

従来のバイクは、「倒れやすく起こしにくい」点が、安全上のリスクにつながっていた。OMOWAYはこの課題を解決するため、これまで航空宇宙や深海船舶専用だったジャイロスコープによる姿勢制御技術を、日常の足となる二輪車に応用することに成功した。

従来の電動バイクは停止時・低速走行時に転倒しやすく、安全上のリスクとなってきた。OMOWAYはこの課題を解決するため、航空宇宙や深海船舶向けに使われてきたジャイロスコープによる姿勢制御技術を二輪車に応用した。内蔵ジャイロスコープが傾きをリアルタイムで検知し、車体が自律的にバランスを維持する。発表会場では、自律走行で登場したOMO Xの上でバレエダンサーがポーズを決める「車輪上のバレエ」が披露され、参加者の注目を集めた。

シーソーの上でバランスをとりながら自律走行する「OMO X」

発表会場で披露された「車輪上のバレエ」

実際の複雑な道路状況に対応できるよう、OMOWAYは専用の強化学習モデルを開発した。システムは、クラウド上のシミュレーション環境内で、大量のデータによってトレーニングを施されており、モーターの出力とジャイロスコープのトルクがうまく協調するよう最適化されている。

360°センサーでリスクを予測

走行中の安全を確保するため、OMO Xには前方のデュアルカメラと4つの魚眼カメラで構成される360°サラウンドビューシステムが搭載されている。濡れた路面や複雑なカーブを走行する際、あるいは衝突の危険がある場合には、システムがリスクを予測し、モーターやステアリング、ブレーキを適切に制御して走行姿勢を安定させる。

これらの機能の基盤となっているのが、検知・意思決定・実行・情報伝達をカバーする独自の汎用ロボットアーキテクチャ「OMO-Robot」だ。シミュレーション訓練を通じて環境を認識し、AIモデルが走行ルートを計画。フィードバックされたデータをハードウエアの改良に活用し、電気・電子アーキテクチャによって情報伝達を担保する。

共通のアーキテクチャを採用した単輪型モビリティロボット「Mobility One」も、自律バランス制御と障害物回避機能を備えている。狭い路地やオフィスビルの中も軽々と通り抜けられるため、将来的には都市サービスや物流など複数のシーンへの活用が期待される。

単輪型モビリティロボット「Mobility One」

日系支配市場に挑戦状

OMOWAYは、東南アジアを最初の進出先に定めた。製品・ブランド責任者のRicky氏によると、まず2026年4月末にインドネシアで先行予約を開始し、5月末の正式発売と納車を予定しているという。世界最大級のバイク市場であるインドネシアは、道路事情が複雑で、長年にわたり日系ブランドのガソリンバイクが市場を席巻してきた。同社はすでに地元ディーラー数十社と提携し、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、バリ島などに販売・アフターサービス網を整備している。

*1ドル=約159円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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