「外部資本拒否」から転換——DeepSeek、評価額100億ドル超で初の外部資金調達か
話題の中国AI企業DeepSeek(ディープシーク)が、初の外部資金調達に乗り出すことが明らかになった。米The Informationが複数の関係者の話として報じたところによると、同社は100億ドル(約1兆5900億円)超の企業評価額で、少なくとも3億ドル(約480億円)の調達を計画している。
DeepSeekは長らく外部資本の受け入れを拒否し、業界から「謎の存在」とも呼ばれてきた。この方針転換の背景について、関係者の間では、創業者の梁文鋒氏が研究開発コストの急騰や人材獲得競争の激化に対応するとともに、従業員向けストックオプションの市場価格を設定する仕組みを整えるための戦略的判断との見方が広がっている。これまで同社の資金は、親会社でもあるクオンツ・ヘッジファンドの幻方量化(High-Flyer Capital Management)が全額を賄ってきた。今回の外部調達への転換は、同社の商業戦略における重要な節目とみられている。
ただし、資金調達の実現には高いハードルがある。中国の業界関係者によれば、この情報が出回ってからわずか数日間で問い合わせが殺到しているものの、実際に出資できる枠は極めて限られているという。複数の投資家が「枠を奪い合っている」と明かし、ある大手国有系投資機関の担当者は「情報は事実だと思うが、今のところまったく入り込む余地がない」と語った。
The Informationはまた、DeepSeekの中国発企業という背景が、米国の一部の潜在的投資家にとって懸念材料になり得ると指摘した。米メディアQuartzの分析では、今回の調達ラウンドの参加者は中国国内の機関投資家が中心になるとみられている。
一方、DeepSeekはこの資金調達と並行して、4月末に次世代のAIモデル「DeepSeek V4」の発表を予定している。パラメーター数は前モデルから倍増して1兆規模に達し、ファーウェイの昇騰(Ascend)チップなど中国国産AIチップへの完全対応を初めて実現する見通しだという。
*1ドル=約159円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)