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貿易分野に特化したAIエージェントを開発する中国スタートアップ「百型智能科技」がこのほど、プレシリーズAで数千万元(数億円)の資金調達を実施したことを発表した。著名ベンチャーキャピタル(VC)の金沙江創投(GSR Ventures)が出資を主導し、源数創投(Origin Data Capital)なども参加した。調達した資金は、研究開発の強化と市場開拓に充てられる。
百型智能は中国初となる貿易特化型AIエージェントを開発し、海外展開を目指す中国企業向けにサービスを提供する。海外取引の全フローを自動化し、低コストで顧客のニーズに合ったカスタマイズを可能にすることで、中国企業が海外に進出する際の顧客獲得、コスト、人材不足といった課題の解決をサポートする。
主力サービスには、貿易専門家の「Zoe」、マーケティング専門家の「David」、営業アシスタントの「Lisa」といった専門エージェント群がある。
近年、米OpenAIや米Anthropicといった大手AI企業がAIエージェント技術の実用化を加速させたことで、プログラミングや法律、顧客サービスなどの特定分野での活用が急速に広がっている。こうした流れの中、百型智能は、マーケティングコストや人件費が高くなりがちな貿易分野に大きなチャンスを見出している。
百型智能は独自のグラフニューラルネットワークによるレコメンドアルゴリズムを通じて、すべてのプロセスを自律的にこなすAIエージェントを開発した。ユーザーが予算とターゲット市場を入力するだけで、市場分析から顧客開拓、的確なアプローチ、フォロー、成約まで、一連の作業がAIエージェントで完結する。単に見込みの高い商談を提示するだけでなく、実際に受注まで至るケースもあるという。さらに、AIは学習を継続し、実情に合わせて戦略を自律的に調整していく。
カスタマイズコストも抑えた。ユーザーの製品やポジショニングに応じて専用の「頭脳」をカスタマイズし、それをユーザーがチューニングし、専門家の知見を取りいれることで、低コストで専用のモデル構築を実現。AIは、マーケティング戦略の策定からタスク計画、実行、品質評価までを自律的に行い、的確なマーケティングで海外顧客を獲得し、受注へとつなげる。
実際にAIエージェント「Zoe」を導入した産業用空気清浄機サプライヤーは、導入前に大量の問い合わせ対応や展示会でかさんでいたマーケティングコストを80%削減し、約6万元(約130万円)の投資で1200万元(約2億6000万円)の受注を獲得した。また、人手不足と資金の問題から海外進出が難しかった別の中小企業が、Zoeの導入で人件費を70%削減、欧米やオーストラリア市場の開拓に成功した。
創業者の韓美CEOは海外貿易で10年のキャリアを持ち、かつてアリババグループで国際カード事業の責任者や、シェアサイクル事業の哈囉出行(Hello Inc.)の創業にも携わった人物だ。究開発チームには、国内外の有名大学出身者や大手企業出身者が集まり、AI研究における高い実績を持つ。
*1ドル=約156円、1元=約22円で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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