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杭州市において「杭州市第三回女性創業革新大会」が開催され、経済学者でもある如是金融研究院(Reality Institute of Advanced Finance)の管清友院長が「中国式女性経済:天の半分を支えるにとどまらない」と題した講演を行った。
如是金融研究院・管清友院長の講演内容
「女性経済」は新しい言葉ではないが、社会学者はこの言葉について、性別や性格の特徴から女性起業家のことを説明しようとするかもしれない。しかし、経済学者からすれば、経済的なデータにより関心がある。まずはいくつかのデータを共有しようと思う。
一番目のデータによると、中国の女性の労働参加率は63%であり、世界ランキングで第一位につけている。中国の女性は世界で最も勤勉な女性と言える。
二番目のデータは経済に対する貢献である。中国の女性は経済に対する貢献度は41%に達し、経済発展の観点からも女性が天の半分を支えていることを証明している。このまま行くと中国の女性の経済貢献は50%を超えるだろう。これは非常に興味深い文化現象であり、経済現象である。
三番目のデータによると、女性はますます優秀になっている。多くの指標からみて、女性が高等教育を受ける比率は高くなっており、2016年に女性の大学院生は100万人を超え、初めて半数を超えて全体の50.6%に達した。
次に中国経済の将来の予測に関するいくつかの特徴を共有したいと思う。
私たちは中国経済がニューノーマル(新常態)の段階に入り、L字型(下降した後に当面上向かない)の段階にあることを知っている。経済の減速期は比較的長く、2009年に経済が減速し始めてすでに10年が経った。国際的な経験から言うと、私たちはさらに10年の減速期を経て、最終的に経済成長率は年平均3%ぐらいに落ちると思われる。
このような過程の中で、私たちの経済構造や産業構造、社会の各階層の心理状態、消費行動にはいずれも非常に大きな変化が発生しており、ここ数年はネットインフルエンサーのブームなどもあり、これらは経済構造の変遷の要因となっている。このような経済構造の変遷は、今後のビジネスモデル、経営モデル、市場などに対して、長期的に影響を与えていくものと考えられる。
中国の経済は投資駆動型から消費駆動型に転換しており、多くの起業プロジェクトは消費に関連したもので、しかもそれらは非常に女性的な特徴を持っている。私たちの産業は製造業主導からサービス業主導へ変化している。この変化の過程において女性は男性より優位である。
国際的な経験から見ると、1人当たりのGDPが1万ドル(約110万円)に達した後、消費行動がアップグレードする傾向が見られる。ヨーロッパ、日本、米国など先進国の経験によると、1人当たりのGDPが1万ドル(約110万円)に達した後、これらの経済体が高級品市場の中心となった。データ予測によると、2025年までに中国人は世界の44%の高級品を購入する可能性があり、これは約1兆元(約16兆円)の規模に相当する。中国市場は80年~90年代の日本よりさらに大きい東アジアにおける女性主体の市場なのだ。
このような状況は起業家にとってもチャンスである。中国市場は過去40年間、横に広く拡張して来たが、縦方向にはまだ拡張できる潜在市場がある。中国の市場は巨大であり、潜在力を持った大きな地方都市市場が残っている。
リスクと収益という観点を性別で見るのも面白い。金融商品についていうと、例えば証券アプリの登録ユーザーは男性が60%ぐらいで女性より少し多い。つまり、女性は投資と資産配分において慎重で男性より理性的である。男性はチャレンジ精神とギャンブル精神があるが、女性は投資や金融商品に対してより慎重だ。
とはいえ、女性企業家は増え、ビジネスにおける中堅となっている。女性社長が運営する企業は株式市場で見ると、上海のメインボードでは40%近くで、これはとても高い割合である。また深圳のメインボードでは約11%、中小企業ボードでは28%、創業ボード(チャイネクスト)では21%を占めている。
もちろん、経済や金融のほかに、文化的分野の観察も欠かせない。女性によって創業されたプラットフォームは、視点や特徴が男性とはかなり異なる。
簡潔にまとめると、中国経済は転換期に入り減速しているが、女性起業家はこの産業構造の変化、技術の発展、ビジネスモデルの変化を機敏に捉える必要がある。
多くの革新というのは以前からの蓄積ではなく、カーブで前の車を追い越すように、飛躍的な発展によってもたらされる。このような飛躍的な技術の進化は、ますます多くの女性起業家にチャンスを与えるだろう。女性起業家がより多くの奇跡を生み出すことを願っている。
(翻訳・普洱)
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