Meta買収が水の泡に——米中の壁に阻まれたAI「Manus」、1600億円調達で買い戻しを模索
中国の規制当局から米Meta(メタ)による買収を禁止された中国発AIエージェント「Manus」の開発元「Butterfly Effect(蝴蝶効応)」に、新たな動きがあった。
ブルームバーグの報道によると、肖弘氏を含むButterfly Effectの共同創業者3名は、メタから自社を買い戻す案を模索している。外部の投資家から約10億ドル(約1600億円)を調達し、メタが当初買収時に支払う20億ドル(約3200億円)を下回らない評価額で買い戻す計画だという。創業者は不足分を自己資金で補填する可能性もある。買戻しが成功した場合、次のステップとしてButterfly Effectを合弁企業として再編し、最終的に香港証券取引所へのIPOを推進する予定だ。
メタは2025年12月、20億ドル超でButterfly Effectを買収すると発表し、取引完了後、Manusの機能はメタのプラットフォームに統合された。しかし、中国商務部は今年1月にコンプライアンス審査を開始し、3月には、肖氏ら共同創業者は出国を制限され、北京に召喚され事情聴取を受けた。
中国国家発展改革委員会は4月27日、この買収を正式に中止すると正式に発表し、メタに対しすでに支払った金額を元のルートで返還するよう求めた。この件は、2021年の「外商投資安全審査規則」施行されて以来、初めて公表されたAI業界での外資による買収案件の中止事例だという。
事情に詳しい関係者によると、Butterfly Effectの2026年の売上高は約10億ドルに達すると見込まれている。投資家は今回の買収合意の破棄と株式買い戻しについて評価する際、実行リスクと規制上の不確実性を同時に考慮する必要がある。Manusはすでにメタのシステムに統合されており、買収撤回には権限の移管や人員の配置といった複雑な問題が伴うとされる。なお、買戻しの詳細については、今のところまだ公表されていない。
*1ドル=159円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)