世界の蓄電池市場で進む「中国化」 BYDがテスラ逆転、上位10社に8社が中国勢
英調査会社Benchmark Mineral Intelligence(BMI)のデータによると、2025年の世界の蓄電池システム(BESS)市場で、中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)がシェア13%で最大のインテグレーターとなり、米テスラの10%を上回って首位に立った。
ただし、調査会社によって集計基準は異なる。英調査会社Wood Mackenzie(ウッド・マッケンジー)のデータでは、25年もテスラが世界首位を維持し、中国の陽光電源(Sungrow)が2位、BYDは3位となっている。
順位に違いはあるものの、中国のインテグレーターが世界のBESS市場で存在感を急速に高めていることは明らかだ。Wood Mackenzieによると、25年には中国企業が世界BESS市場の76%を占め、インテグレーター上位10社のうち8社を中国企業が占めたという。
この流れは2026年に入っても続いている。InfoLink Consultingによると、26年1〜3月期の世界の蓄電システム出荷量は126.4GWhと、前年同期から78.8%増加した。メーカー別ではBYD、Sungrow、ファーウェイがトップ3を占め、テスラは4位、中国中車(CRRC)傘下の中車株洲電力機車研究所が5位となった。大型蓄電システムに限ると、テスラはさらに5位まで後退し、上位4社を中国勢が独占した。

2026年1〜3月期の世界蓄電システム出荷量ランキング(出所:InfoLink Consulting)
一方、テスラが依然として強さを保っているのが北米市場だ。Wood Mackenzieによると、2024年の北米BESS市場でテスラは39%のシェアを獲得し、競合を大きく引き離した。25年も首位を維持している。
しかし、北米以外では中国勢の台頭が一段と鮮明になっている。25年の欧州BESS市場では、上位3社を中国企業が独占。なかでもBYDは前年の5位から2位へ順位を上げた。中東市場では中国勢の寡占がさらに進み、SungrowとBYDの2社だけで市場全体の87%を占めた。

北米を除く主要市場では、中国勢が蓄電システム市場の上位3社をほぼ独占(出所:Wood Mackenzie)
中国市場も、テスラにとって今後の開拓余地が大きい市場の一つだ。2025年には上海市の蓄電システム工場「メガファクトリー」が稼働を開始した。大型蓄電システム「Megapack(メガパック)」を年間1万台、蓄電容量ベースで約40GWh生産する能力を備え、すでに海外への出荷も始めている。
テスラは中国国内でも大型蓄電プロジェクトを進めているものの、サプライチェーンやコスト、プロジェクト遂行能力で優位に立つ中国企業がひしめくなか、中国市場における存在感は依然として限定的となっている。
(36Kr Japan編集部)