水の中では、カメラもLiDARも効かない 中国スタートアップが挑む「音」のセンシング
水中センシング用チップを手がける中国スタートアップ「芯暘微」がこのほど、エンジェルラウンドで1000万元(約2億4000万円)を調達した。出資者は「険峰長青(K2VC)」と「隠峰資本(YF Capital)」。調達した資金は主にチーム拡充や人材システムの整備に充てられる。
水中ロボットは遠隔操作中心から自律運行に移行しつつある。水中ではカメラやレーザーなど一般的なセンシング技術は、水の濁りや光の減衰の影響を受けやすい。そのため、超音波が水中センシングの重要な技術の一つとなっている。
芯暘微は、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサー(CMUT)技術を採用。半導体プロセス「MEMS」を用いて、ウエハー上に微小な振動膜を形成する。従来の圧電セラミックス(PZT)方式と比べて、CMUTは小型化や高密度の2次元アレイ化が容易で、広帯域という特徴もあり、ロボットによる近距離の3D音響イメージングに適しているという。
同社は現在、水中ロボットの周辺0~20メートルの近距離センシングを主に手がけている。製品は単体のチップではなく、CMUTアレイ、ASICチップ、関連するハードウエアとソフトウエアを組み合わせた音響センシングモジュールとして提供する。
芯暘微はまずプール清掃ロボット市場に参入。同社によると、このモジュールを搭載することで、ロボットはアレイ型の音響イメージングを通じて周囲の環境を認識し、エリア判別や経路計画を行えるようになる。清掃範囲のカバー率は95%以上に達するという。製品はすでに複数回の試作チップ製造を終え、小規模量産の段階に入っており、複数のプール清掃ロボット企業と試験やサプライチェーン面での協力を進めている。
今後は、水中測量や水産養殖、水難救助などへの展開を計画しているほか、CMUTの用途を水中での「センシング」から「通信」に広げることも検討しているという。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)