Manus、米メタとの数十億ドル買収騒動に幕 9月1日に独立運営へ

汎用型AIエージェント「Manus」は9月1日、独立運営を正式に再開したと発表した。肖弘氏、季逸超氏(チーフサイエンティスト)、張涛氏の共同創業者3名が引き続き経営を担う。同社は、汎用型AIエージェントの能力を一段と向上させ、高度なタスク処理によって日々の業務や生活をより効率的にする考えだ。

Manusは今後、日常業務への更なる統合、現実世界との直接的な相互作用、ユーザーの代わりに能動的に行動する3つの方向に注力する。

メタによる買収騒動の経緯

今回の独立再開の背景には買収劇を巡る曲折があった。2025年3月、Manusは「世界初の汎用AIエージェント」を掲げて登場した。国際市場の開拓を目的に、本社を中国からシンガポールに移転させた。同年12月29日には米メタがManusの開発元「Butterfly Effect(蝴蝶効応)」を約20億ドル(約3100億円)で買収すると発表し、メタ史上3番目の規模の大型買収とされる。当初の計画では、Manusはメタの消費者・企業向け製品エコシステムに統合され、肖氏はメタ副総裁に就任、約100人のチームメンバーは「メタの超知能研究所(Meta Superintelligence Labs、MSL)」シンガポール支部に編入される予定だった。

Meta買収が水の泡に——米中の壁に阻まれたAI「Manus」、1600億円調達で買い戻しを模索

転機は2026年4月に訪れた。中国の国家発展改革委員会の外商投資安全審査業務メカニズム弁公室がこの買収を差し止め、当事者に取引の取り消しを求めた。6〜7月には、海外メディアがManusの従来の株主であるテンセント、真格基金(Zhen Fund)や紅杉中国(Hongshan)、当時の評価額20億ドルでButterfly Effectの持ち株を買い戻す方向で協議していると報じた。

8月11日、Manusは「Manusからユーザーへの手紙」を公開し、独立運営の再開を事前に告知した。移行措置の一環として、メタによる買収日(2025年12月29日)以降に一部のユーザーが生成したデータが削除されたことを明らかにし、バックアップの無料期間と「復帰特典」を補償として提供するとした。

英フィナンシャル・タイムズが関係者の話として報じたところによると、Manusはメタによる買収後、業績を急速に拡大し、年間売上高は4〜5億ドル(約620~780億円)規模に達した。買収時の1億ドル(約160億円)から大幅に増加した。

*1ドル=約156円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

日本企業のDXを促進するプラットフォーム「CONNECTO」
無料コンテンツ公開中

最新記事