ロボットの計算基盤を握る中国「D-Robotics」、630億円調達 チップ800万個出荷
ロボット向けの高性能半導体および基盤技術を開発する中国「地瓜機器人(D-Robotics)」はこのほど、シリーズCで4億ドル(約630億円)を調達した。これまでに実施した2回のシリーズBを合わせると、2026年以降の累計調達額は約6億7000万ドル(約1100億円)に達した。
今回の出資は韓国の未来アセットグループが主導し、合肥国有資本創業投資や深圳市南山戦略新興産業投資などの政府系投資機関、美団(Meituan)、凱輝基金(Cathay Capital) 、高瓴創投(GL Ventures)、テマセク傘下のVertex Growth、サウジアラムコ傘下のProsperity7 Ventures、雲鋒基金(YF Capital)なども参加した。
地瓜機器人は、中国の車載AI半導体大手の「地平線機器人(Horizon Robotics)」から派生し、2024年に独立運営を開始。ロボット産業向けのコンピューティング基盤を提供しており、ロボット本体の製造ではなく、チップ、開発キット、ソフト・ハードウエアの開発プラットフォームの提供に特化している。同社のチップ「旭日(Sunrise)」 シリーズは、幅広い演算性能のニーズに対応する。また、データ収集、モデル学習、シミュレーションの検証、推論処理の実装までをカバーするソフトウエアプラットフォームを構築している。
2026年上半期の売上高は前年同期比で数倍に増加し、「旭日」シリーズの累計出荷量は800万個を突破したという。このうち、25年11月に発表した「旭日S600」は、它石智航(TARS) 、千尋智能(Spirit AI) 、自変量機器人(X Square Robot)、優必選(UBTECH)、帕西尼(PaXini)など20社以上の企業・研究機関に採用されている。採用されている分野は、人型ロボット(ヒューマノイド)、産業用の車輪型ロボット、3C製品の柔軟な製造作業、エンボディドAI向け大規模モデルなどに広がっており、多くのプロジェクトが量産レベルでの出荷段階に入っている。同社によると、エンボディドAI分野での顧客カバー率は50%を超えたという。
人型ロボットやエンボディドAIが技術検証の段階から量産へと徐々に移行していく中、業界の競争領域もロボット本体から、チップ、センサー、データ、開発ツールなど上流の基盤技術へと広がっている。地瓜機器人は、ロボット本体の製造開発で競合するのではなく、コンピューティング基盤の提供に特化することで、さまざまなロボットメーカーに共通して利用できる基盤技術プラットフォームの構築を目指している。
*1ドル=約157円、1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)