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中国は世界最大の花卉の成長市場だが、国内の園芸業界は集中度が低く、大手企業が育っていないのが現状だ。多くの人にとって園芸は生活に潤いをもたらすが、手がかかるうえ、人に預けるのも難しい。
植物の美学を広く伝える目的で生まれた「花信(Dancing Flowers)」は園芸愛好家、園芸の達人、花屋を結ぶコミュニティで、アプリとミニプログラムの形で提供されている。運営会社の「杭州花萌科技(Hangzhou Huameng Technology)」は2018年創業で、これまでにシードラウンドで50万元(約750万円)、エンジェルラウンドで300万元(約4500万円)を調達した。
花信は当初園芸百科から始め、園芸植物のデータベースを構築し、現在1万種余りの園芸植物のデータを収録する。園芸の見せ方、栽培環境の条件、栽培方法などの知識を紹介するほか、サプライヤーとも提携して園芸植物を販売する。SKUは1000以上になる。
アプリには初心者の植物愛好家向けに花の育て方の紹介や質問コーナーがある。現在ユーザーは約50万人で、コミュニティ内で栽培日記を投稿したり、ユーザー間でフォローやコメントを記入したりできる。
一方、園芸業者にはソーシャルコマースのサービスを提供する。園芸の達人と花屋向けサービスでは、店主はアプリに自身の店の植物や花信のサプライチェーンの植物や資材を載せ、園芸の達人がグループを作って商品を販売できるほか、花信のコンテンツを利用して店側がソーシャルマーケティングを行うことも可能だ。現在、花信の店舗数は400店以上、園芸の達人は4000人以上になる。
創業者の戴立氏は、「ソーシャルコマースでは業者は消費者に直接販売でき、粗利の増加につながる。販売機能はミニプログラムで開始したばかりだが、将来的には花信自身の商品なども販売していきたい」と話す。
植物は都市や環境によって育て方が異なるが、花信の提供する位置情報(LBS)サービスを使えば、ユーザーは近くにある花屋の様子、商品や近くにいるユーザーの発信内容を常に確認でき、同じ街に住むユーザーから栽培方法を教えてもらうことができる。戴立氏は、花信のソーシャルエコシステムは実店舗の花屋に顧客を提供するほか、ユーザー同士がオンラインでやりとりをする関係からリアルでの交友関係にしたいというユーザーのニーズを満足できると話す。
花屋の開店ブームが続くが、来店客が少ない、スタッフの管理が難しい、商品選びが難しいなどの問題がある。これに対し、花信は集客テクニックなどを無料で提供し、将来的には学校を作り、採用、研修、花屋の募集、マーケティングツールなどのサービスを提供する計画だ。
戴立氏は、花信はユーザー、花屋、サプライヤーをつなぎ、まずはユーザーのコミュニティを育てた上で、今年さらに業者向けサービスを強化していきたいと話す。
花信の開発チームは20人ほどで、本社は杭州にある。創業者の戴立氏は浙江大学を卒業後、教育機関「滙文教育(Huiwen Education)」や、写真に撮った花の名前を調べるアプリ「花萌」の創設に携わった。(翻訳・二胡)
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