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オンライン保険などを手掛ける「水滴公司(Waterdrop Inc)」が、シリーズDで2億ドル(約200億円)以上を調達したことがわかった。出資したのは再保険大手スイス・リー、テンセント、調査会社のIDG、「点亮基金(Light-Up Capital)」、「五道口基金(Beijing Wudaokou Investment Fund)」など同社の従来の株主である。
同社は昨年3月にシリーズBで5億元(約75億円)、6月にシリーズCで10億元(約150億円)を調達しており、今回を加えれば、1年半で4億ドル(約400億円)以上を調達したことになる。水滴の時価総額は20億ドル(約2000億円)という報道が出ているが、投資家によると、今年に入ってから、同社はめざましく成長しているため、最新の時価総額はこれを遥かに上回るという。
水滴は設立から4年弱だが、すでに「水滴筹」、「水滴互助」、「水滴保険商城」、「水滴公益」の4大事業を持つまでに成長している。同社が最初に始めた「水滴筹」は、経済的に困窮している重病患者への寄付金を募るプラットフォームで、これまでに320億元(約4800億円)を集めている。「水滴公益」は、2018年7月に始まった公益事業への寄付金を募るプラットフォームで、これまでに6000以上のプロジェクトが6億元(約90億円)以上を集めた。
収益化事業では、一定の会費を定期的に納付し、困窮した際に保険と同感覚で資金援助を得ることのできる「水滴互助」が順調に成長し、2020年6月末の時点で、1万2000の家庭に15億元(約230億円)を支援している。
残る「水滴保険商城」は、2017年に設立され、全国での保険営業が可能なライセンスを保有している。医療保険専門のこの事業は、近年急成長しており、重要な収益源となっている。2019年からは、保険会社との提携も増え、保険商品の種類と保険料収入も急増している。
水滴は、このように「募金+互助+保険」というビジネスモデルを構築している。募金でトラフィックを増やし、その利用者を保険の契約へと誘導するのが基本的な方法だ。特に今年は新型コロナ禍により、保険への関心が高まる一方で、対面営業が難しいために、オンラインでの保険契約が増えている。そのため、2020年は第2四半期までの水滴公司の保険契約額は60億元(約900億円)で、2019年の年間金額に迫る勢いである。その効果もあって、同社の保険事業は今年4月と5月に黒字化を達成した。
同社については、今年7月に複数のメディアが年内の米国上場を目指していると報道したが、同社は「まだ明確なIPOの計画はないが、資本市場での様々な可能性を模索している」としている。
水滴の当面の課題は、上場よりも、収益力と契約者が増えた後に、多様化するニーズに対応できるかということにある。そのために、同社はインシュアテックのプラットフォームを目指すことになるだろう。現在のユーザーのデータを利用し、リスクコントロールや営業をより正確に行い、保険のカスタマイズを実現できれば、コストを抑え、商品の革新が実現できるだろう。
(翻訳:小六)
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