自動車サービス事業を分割、”滴滴”が望むのは1 + 1> 2のストーリー

・要点:

・36Krの把握しているところによると、滴滴(DIDI)は現在、メイン事業として最短で今年中に米国の株式市場に上場し、自動車サービス事業が分割された後、将来的に中国国内や香港に単独で上場する可能性を排除しないと示している。

・自動車サービスはより良い資金調達のために分割されているが、この業務の収益モデルに不安を除けない

・滴滴はネットワーク予約車の会社としての人々の固定観念を変えようとしている。

(36Krの記者、張嫣女史と馬若飛氏に本文へのご協力をここに感謝する)

滴滴は再び新たな物語を述べ始めた。

財経の報道によると、滴滴は自動車サービスプラットフォーム(自動車サービス)事業を分割する予定で、この分割は滴滴の上場計画に備えるためだ。また、滴滴の自動車サービスは約30億ドルの投資前評価額で10〜15億ドルを調達する準備をするとも報じている。ソフトバンクは、意向を示した投資会社の一つではあるが、最終案はまだ確定されていない。

滴滴が上場を目論んでいることは秘密というわけではないが、今回自動車サービスを分割したというだけで、滴滴の評価に影響している。しかし36Krが以前知り得た情報によると、滴滴の現在の計画では、主力事業として最短で今年中に米国株式市場に上場することに加え、自動車事業を分割後は将来的に中国国内や香港に単独で上場する可能性を排除しないとの意向だ。これに関して、滴滴広報はノーコメントとしている。

滴滴が求めているのは、1 + 1> 2のストーリーだ。自動車サービス事業の分割は一時的に滴滴の評価に影響を及ぼすが、これは上場後滴滴がセカンダリマーケットでより多くの収益を得ることを意味している。

全ては上場のために

自動車サービスは、昨年、杭州で事業部を開設し、レンタカー、給油、メンテナンス、タイムシェアリングなど、数多くの自動車サービスと運営をカバーしている。「車のサービス事業ができれば、その余地はまだまだ大きく、滴滴は利益が見込めると期待している」とある内部関係者は語った。滴滴は、このビジネスに大きな期待を寄せており、以前明らかにしたところによると、2018年の年末に向けて年間900億元の取引量を継続して目指し、今年は直営とフランチャイズの2種類のモデルを通じ、全国に100以上のオフラインストアの開業も目指している。

滴滴配車サービスは、この1兆スケールの市場空間にもふさわしいものである。実際に、自動車販売の収入以外にも、アフターサービスからの収入も非常に見込みが大きいといえる。Analysys(易観)の分析によると、2017年の自動車アフターマーケットの規模は1.06兆元(自動車金融を除く)に達し、前年比で約21.4%の増加となり、2019年には自動車アフターマーケットの規模は、1.2兆元を超えることが予想される。

以前は、テンセント(騰迅)と滴滴の合計で25.5%の株式を所有する自動車取引サービスプラットフォームCANGO(燦谷)が米国に赴き、IPO申請書を提出した。株式募集書によると、その利潤は2016年の1.34億元から2017年の3.49億元に161.5%増加した。この観点から、滴滴自動車サービスプラットフォームの将来の開発可能性を想像することができる。

すでに2016年の初めに、滴滴の元エクスプレスビジネス部門のゼネラルマネージャーである陳汀氏が、アフターマーケットサービスを行うと社内で提案したが、これこそが現在の自動車サービスである。これは滴滴と多くの自動車OEM工場と、融資リースを通してドライバーに提供する車両を連携するロジックと同じであるが、伝票の引き渡し、車のメンテナンス、自動車保険の手続き、また毎日の燃料補給を全てドライバーにさせる場合であっても、滴滴を通じてのワンストップソリューションにするのが最終目的である。より細分化された自動車市場への切り込むことにより、ドライバーをプラットフォームにより多く密着させ、定額以上の利益の成長点を持ち込み、最大限にドライバーの価値を獲得する。一方で、自動車サービスも下流から上流への流れを実現し、トレーディングクローズドループを完成することが可能だ。

「自動車サービスは依然として滴滴の二次部門であり、ビジネスは比較的限られているため、シェアしている見積評価額も比較的低い」と前出の内部関係者は述べている。

しかし、自動車サービスを分割すると、それは別の話である。業務が不可能な場合、すぐに打ち切ることができ、もし上手くできる場合は独立した資金調達が可能だ。実際に、滴滴の現在の500億ドルという破格の評価額は、圧倒的多数の投資家を落胆させ、大規模な資金調達を再び得ることは困難であるが、滴滴のバックグラウンドを持つ独立した子会社であれば、確信を持って資本を注入することはできるだろう。

分割された自動車サービス事業は、プライマリマーケットでの滴滴の資金調達を支援するだけでなく、ビジネス自体に価値がある場合は、中国や香港にも上場することができ、セカンダリマーケットでも資金を出すこともできる。

しかし、自動車サービスは実際に実現できるのか

市場競争が激しさを増しているため、滴滴の自動車サービス事業は現在のところまだ初期の段階であり、それに加え、プラットフォームドライバーの補助金は常に存在するため、内部関係者はこの事業において当面収益性を得る手立てがないことを明らかにした。

自動車サービス事業は簡単というわけではない。2015年にはこの分野で一種のブームが巻き起こり、1年以内に市場に何百もの洗車、維持、修理の自動車アフターマーケットプレーヤーが出現したが、数年後には多数の企業が相次いで倒産し、市場には数社の中古車のプラットフォームや途虎(tuhu)などの少数の伝統的ポストマーケット会社だけが生き残り、それ以外は依然として散在したオフラインの小規模な工場をメインとした会社として残っている。

洗車を請け負うO2O市場は非常にホットで、その市場に入るのは却って「オンドル」の中のようだとコメントしている者もいる。これはオフラインでの運営経験を重視する分野である。以前は落ち込んでいた新興企業はすべて表面上「資金チェーン断絶」で枯れてしまったが、否定できないのは、O2O社が継続して利潤の前に長い市場育成期を経る必要があり、オフライン運営が非常に重く、補助金に依存し、ビジネスモデルを迅速に合理化できず、運営能力の展開ができないと、最終的に収益を上げることや生き残ることさえきわめて困難になる、ということだ。

滴滴の自動車サービスには、自家用車の車検サービスの手配を行っていること、またオフライン店を購入し連携する資金を持っているなど、0から1までのプレーヤーと比較して、独自のメリットがあり、すでにスタートラインにいて優勢である。滴滴の自動車サービスが独立してから、独自で収益を得る能力があるかどうかについては、依然として疑わしい。

オフラインのメンテナンスストアを例にとると、滴滴のカーメンテナンスと修理事業は現在全国的に拡大しているが、主要都市における数は楽観的ではなく、より多くは滴滴のオーナーズクラブの形態で存在している。タイムシェアリース事業は、今年初めに杭州で始めた後、二都市目はいつまでたっても開設できていない。

自動車サービス事業が分割され、上場の観点からは、滴滴はこの不採算である手荷物を一時的に放棄したことになる。しかし、自動車サービス事業をどうしても上場する場合は、独自の発展と収益性について大きな試練となる。滴滴はしばらくそれらへの資金投入を止める術がない。

滴滴の大きな変革

いずれにしても、マルチブランドの運営は、より多くの手段を必要とする。ネット予約車事業がボトルネックとなり、一回天井に達するという状況下で、滴滴はネット予約車会社としての人々の固定観念を変えようとしている。今年6月末、滴滴の専用車ブランドを独立して、”礼橙専車”(リチェンジュアンカー)に名称を変更したことを発表し、「以前の滴滴には急行バスやタクシー業務のイメージがあったが、この2つの事業はどちらも件数は多いが、客単価が低い。さらに単価が高くサービスもより良い専用車ブランドを独立させることで、人々の滴滴全体のブランドの認知度も上げることもできる。」と述べた。

36Krが把握しているところによると、現時点では、滴滴内部ではすでにワンストップ式トラベルサービスプラットフォームを通して自社を定義することはほとんどなく、グローバルな自動車産業チェーンサービスを通して新たな位置づけをすることがより多くなっている。

これもまた理解できることだが、ネット予約車に比べると、自動車は明らかに大規模な業界であり、発展する見通しや余地もさらに広大である。「運転手は永遠に欠けることはないが、自動車や関連する自動車サービスがあれば、業界全体のチェーンを展開することができ、これはもっと大きな話である。」

今年の4月には、OEMや部品工場を含む30社以上の自動車産業チェーン会社と連携し、新しい自動車分野における野望を実現する「洪流連盟」の設立を発表した。36Krが把握しているところによると、今年より、AI、自動車サービス、自動車や家と連携した新たなエネルギー自動車の製造を開始するなど、滴滴内部ではさらにテクノロジー感を重視している。

従来、滴滴のビジネスモデルは、主にドライバーや乗客、特に注文数量にかなり大きく依存して、手数料を徴収していたため、自動車分野と技術分野のバランスにいかに重きを置くかは、企業の上場が成功するかどうかだけでなく、セカンダリマーケットにおいて利益の良いニュースを提供できるか、また、滴滴が安全かどうかということにも関係してくる。

上場するために、またセカンダリマーケットにより信頼を与えられるように、滴滴はすでに大きく変化する決心を固めた。

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