網易スマートスピーカー分野へ アリババ天猫精霊、小米スマートスピーカーの月間販売台数が100万台を突破する中での参戦は遅すぎの感も
網易(ネットイース)がついにスマートスピーカーの販売を始めることになったが,天猫精灵や、小米(シャオミ)スマートスピーカーと比較すると、価格は割高だ。
本日、網易は京東(ジンドン)によるクラウドファンディングプラットフォーム京東衆筹(JDクラウドファンディング)上に「网易三音云音箱」という名のスマートスピーカーのプロジェクト情報を掲載した。これは網易の人工知能(AI)事業部が初めて一般消費者向けに開発した製品となる。

JDクラウドファンディングのプロジェクト紹介ページでは、このスピーカーは5000名の「協賛者」にのみプロジェクトとして売り出されている。「協賛」価格は、799元から。この価格はクラウドファンディング募集期間中のみのもので、通常の販売価格は1399元である。ほかにも、消費者は999元、9990元というリターン内容が異なる値段で「協賛」することもでき、もしくはリターンを求めず費用も発生しない「応援」という方法でプロジェクトに支持を示すこともできる。今回は募集から30日で50万元を集めるのが目標だ。
網易の関係者によると、JDクラウドファンディング掲載から30日のプロジェクト公開期間は、「協賛者」との共同開発期間になるとのこと。主な目的としては協賛者となる音楽ファンのフィードバックを通して製品に改善を加え、網易がよりよい音楽製品を消費者に提供できるようにすることである。具体的には、協賛者たちは3つの方法で共同開発に参加することになる。1つは、音楽のタグ付けをして音楽レコメンド機能のアルゴリズムを最適化させること。2つめは、リスニング体験を向上させるためのユーザー意見提供。3つ目はアンケート用のQRコードを読み込み、製品ソフト最適化に向けた意見の提供である。
この動きを見ていると、「共同開発」は事実上、一風変わった割引販促の方法をとっているともいえる。
普通の割引販促と異なるのは、消費者が協賛者・共同開発者として製品のデザインや技術の改善のためにフィードバックを行うというところである。この互いに関わりあう販売方式のすぐれたところは、新しいスマートスピーカーのブランド知名度を上げるだけでなく、販売の課程で消費者の意見に基づいて製品を改善し、きわめて正確なオーダーメイド製品にすることができる点だ。
機能面や製品内容からすると、このスピーカーは基本的には他のスマートスピーカーとそう変わらない。比較的ユニークな特長を挙げるとすれば、網易の音楽配信サービス「ネットイース・クラウドミュージック」とリンクできるところか。ネットイース・クラウドミュージックは音楽やラジオドラマなどが聴ける、いわずと知れた音楽配信サービスである。製品の紹介文によると、網易が持つ音楽ビッグデータのアルゴリズムに基づいてユーザー好みの音楽がレコメンドされ、ユーザーにとっては自分だけの音楽体験ができるようになる。

ユーザー向けの製品紹介画像を見ると、このスピーカーの販売ターゲットは一定の購買力を持ち、音楽を愛し、コミュニティ意識の高い若者ということになりそうだ。
現在、多くの会社がスマートスピーカーをIoTへの重要な入り口と捉えており、この分野においてひとつのトレンドにもなっている。狩豹移動(チーターモバイル)や、華為(ファーウェイ)などのソフト・ハードウェア開発会社だけでなく、百度(バイドゥ)、アリババ、テンセント、小米などのインターネット会社も網易より随分と先駆けてこの分野に進出している。これらの企業が開発した製品は既に一定の市場シェアを獲得しており、中でも小米スマートスピーカーやアリババの天猫精霊の月間販売量は100万台にも達する。
この天猫精霊や小米のスマートスピーカーの販売価格は300元以下に設定されており、ネットイースの1399元に比べると格段に安い。網易は価格において他社の優位に立てないばかりか、楽曲数など音楽資源の面においても、テンセントのスマートスピーカー聴聴(ティンティン)に及ばない(しかも網易より販売価格が割安)。国内最大の音楽配信サービスQQ音楽を有するテンセントなだけに、聴聴は音楽資源の面で圧倒的優位に立つ。
網易は技術や性能面では十分高いものを持ってはいるが、スマートスピーカーの販売においてはまだまだ不得手であるといえよう。
今回のネットイース・シング・クラウドスマートスピーカーが優位に立っている点があるとすれば、ネットイースクラウドサービスを使用しているコアなユーザーがいる事くらいだろう。彼ら二次元やコミュニケーション文化を愛する人々は一般的なユーザーに比べてより熱心にサービスを応援する。すなわち、費用を払うのもいとわず「ファン心理」を発揮するということである。