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AIやIoTを活用して都市インフラのスマート化を図る「万智生科技(WISDON)」は、2017年の設立以来、水道・電気・ガスのメーターを自動化してきた。
これらのメーターは従来、検針員が一つ一つ目視で検針しており、コストもかさむほか誤検針も多く、料金回収までのサイクルも長かった。一方で既存のスマートメーターは従来型メーターとの交換に時間がかかり、連続運転時間にも限りがあった。しかし、万智生科技のスマートメーターは従来型メーターに後付けのIoT端末を導入するもので、メーター自体を交換する必要がない。
万智生科技の金亜東CEOによると、同社は高精細カメラ・赤外線ライトで構成される撮影モジュールやAIモデルを自主開発し、メーターの指示数の読み取り精度は99%に達しているという。
中国の産業研究機関・前瞻産業研究院(Qianzhan Industry Research Institute)の統計では、中国のスマートメーター業界を代表する水道・電気・ガスメーター市場は2023年には400億元(約6800億円)規模に達する見込みだ。
スマートメーターの製造元は大手上場企業とベンチャー企業に大別され、後者にあたる万智生科技が開発するスマートメーターは、業界全体でみると第三世代に相当する分離型メーターだ。カメラと補光装置によって画像を取得し、AIモデルがリモートアクセスで画像を認識・解析する。
万智生科技の主力製品であるクラウドサービスシステムは、ハードウェアとソフトウェアで構成される。
ハードウェアは後付け式の端末だが、分離型のスマートメーターには技術面で二つの難関がある。一つは劣悪な環境下でも安定して鮮明な画像を取得できること。もう一つはAIによる分析・解析能力だ。
画質を保つため、万智生科技は広範囲をとらえる接写カメラを採用し、複数のセンサーも併せてデータを取得する。またメーターと端末の間に結露が発生することを防ぐため、ナノ素材で空気を遮断する。AIの分析・解析能力に関しては、データをバックエンドに送信してから分析・検出を行う。クラスタリングアルゴリズムによってデータ認識の精度を99%以上に高めているという。
ソフトウェアではデータ分析後、顧客がデータ照会や顧客関係管理(CRM)・受注管理を行ったり、費用計算・請求業務を行ったり、リアルタイムデータ分析を行ったりといった付加価値業務が可能になる。
ビジネスモデルとしては、ハードウェアおよびSaaS利用料を収入源としている。万智生科技の製品は既存のスマートメーターの3分の1ほどの価格で提供されており、今年1〜5月の契約額は1億元(約17億円)に達した。
金CEOによると、ガス業界では中国の5大企業のうち4社と提携済みで、電気・通信業界ではチャイナモバイル(中国移動)、チャイナタワー(中国鉄塔)と提携、水道業界では中国内で唯一全国展開する「北控水務(BEWG)」などと提携する。
CEOとCTOを兼任する金亜東氏は、ソフトウェア関連サービスプロバイダー大手「亜信集団(AsiaInfo)」でCTOおよびCSOを務めた人物。その他のコアメンバーも亜信集団やチャイナモバイル、ファーウェイ、ヒューレット・パッカードなど大手企業の出身だ。
(翻訳・愛玉)
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