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過去15年間成長を続けてきた数少ない産業の一つとして、ペットビジネスを挙げることができる。中国のペットビジネスは3000億元(約5兆円)近い巨大市場になったが、それでもこの数字は氷山の一角に過ぎない。
急成長するペットビジネスには、ヒルハウス・キャピタル、セコイア・キャピタル中国、達晨創投(Fortune Venture Capital)、米コールバーグ・クラビス・ロバーツなど著名なPEが投資しており、テック大手のアリババ、シャオミも投資または関連事業を展開している。なかでも、注目すべきなのは11年前からペットビジネスに多くのリソースを振り分けてきたネット通販大手の京東(JD.com)」だ。
ペットビジネス分野は中小企業が多く、彼らもECプラットフォームに出店しているものの、店舗運営やマーケティング費用が大きな負担となっていた。
これに対し、京東は中小店舗のサプライチェーン整備、運営力の強化、新製品開発、マーケティング、デジタル・トランスフォーメーションなどを一括で支援する「新寵計画」を打ち出し、今後1年間で50以上の新ブランドを育成するとした。
消費者向けの施策では、品質のばらつきが大きいペット用品、ペットフードなどにおいて、7日間以内に無償返品・交換できる商品の対象範囲を広げたほか、フード、関連用品、ヘルスケア、保険をすべて含めた各種パッケージプランを開発し販売している。
ペットの健康に対する関心も高まっており、京東はペット医療に出資するなどし、京東経由で医療にアクセスできる体制を構築することを発表した。京東はまさしく、ペットの全ライフサイクルをカバーしようとしているのである。
上記オンライン展開だけでなく、現在、中国に大型のペット用品チェーン店がないことを鑑み、京東は得意とするサプライチェーンや物流を駆使し、ペット用品販売のオンラインとオフラインの融合によるオムニチャネル化を目指している。そのことにより、どこにいても京東から安心して使えるペット用品が購入できるようになる。
京東のペットビジネスにおける戦略は、これまでのところ効果を上げており、特に今年の「618セール」(6月18日前後に開催されるECのセール・イベント)での売上高は大きく伸びた。
618セール初日の6月1日、京東のペット用品の売上高はわずか8時間で昨年の1日分を超えた。品目別の初日の売上高は、サプリメントが前年比で2倍以上、整腸剤が同5.3倍、免疫向上食品が6.1倍になるなど、特にヘルスケア関連商品が目立った。また、6月1日から16日までの間に、マイナーブランドの9割以上が前年比で2倍以上の売上高を記録した。
これらのデータを見る限り、今後ペット関連の新鋭ブランドが続々と登場することが期待できるだろう。京東はそれらの企業とともに、中国の消費者が最も信頼でき、様々なサービスと商品を網羅したペットビジネスのプラットフォームを目指している。
(翻訳・小六)
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