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ノーコード開発プラットフォーム 「軽流(QINGFLOW)」を提供する「易校信息科技(Yixiao Information Technology)」が、シリーズBで約1億元(約18億円)を調達した。出資を主導した啓明創投(Qiming Venture Partners)のほか、既存株主のテンセントなども出資に参加した。
同社は過去1年でシリーズA、シリーズA+と2回の資金調達を行っており、シリーズAでは既存株主の源碼資本(Source Code Capital)が、シリーズA+ではテンセントが出資を主導している。
易校信息科技は2015年に設立され、ソースコードを書かずにプログラムを作成できる開発プラットフォーム(NCDP)「軽流」を開発した。最少のソースコードでプログラムを作成できる「ローコード」、ソースコードなしでプログラムを作成できる「ノーコード」はともに2000年代には誕生していた技術だが、過去2年ほどで再び注目を浴び、製品化や商用化が進んだ。
軽流は企業内に存在する大量かつ長期的な需要、すなわちロングテール現象(The Long Tail)に照準を当て、ノーコード開発ツール以外にも体系化されたソリューションを顧客に提供している。既存のローコード開発ソリューションが主にIT技術者に向けて提供されてきたのとは異なり、軽流は業務担当者でも簡単に利用できることを目標としている。
創業者兼CEOの薄智元氏によると、同社が設立して6年を経た現在、顧客に向き合うソリューションにより注力するようになったといい、前回の資金調達後は複数の新製品を発表している。
一つは、「専有軽流」である。これまでのQINGFLOWはパブリッククラウド上に構築されたものがメインだったが、中国国内外のクラウド購入のニーズが異なる他、中国の企業はローカライズやコンプライアンスに対するニーズがさらに高いため、顧客ごとに専用のNCDPを構築することにした。
軽流は「信創体系(産業イノベーションにIT技術を応用すること)」システムへも対応を進めており、クラウドサービスの国際セキュリティ認証SOC2も取得済みだ。薄CEOは「軽流はワークフローエンジンなどの最下層構造からすべてを自主開発してきた。あらゆる環境への適応も早々に完了している」と述べている。そうしたソリューションによって、大手企業の既存システムとの連携が可能となり、取引先がさらに広げると見込まれる。
もう一つの新製品は、ビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォーム「軽析」だ。ローコード開発ツールは一線スタッフの標準化されていないロングテール業務のプロセスやアプリケーションを改善するための製品だとすれば、軽析はさらに一歩先へ進んだとみられる。軽析において、データとの自動同期分析が実現できるため、データ可視化の需要にも満たしている。
軽析の重要な役割は、BIツールにかかるコストを削減することだ。現在主流のBIソリューションは主に開発者に向けたものだが、軽析は技術人員でなくても利用できる。軽流とデータを同期するだけでなく、顧客企業が社内で使用しているソフトウェアやローカルファイルからもデータを取得し、必要に応じてデータを整理する。最終的にはこれらを可視化して業務分析や意思決定に役立てられる。
軽流はすでにインターネット、製造、小売り、教育、建設、金融、生活サービス、エンターテイメント、メディアなど数十の業界に顧客を持つ。また、経営資源、製造、プロジェクト、受発注、カスタマーリレーションズ、人事管理などの業務シナリオ別に100以上のソリューションをリリースしている。
顧客ごとの専用NCDPを運用することは、軽流の開発業務にも恩恵をもたらしている。専有軽流は大口顧客向けに展開しているが、各業界のノウハウやひな形を吸収し、さらにブラッシュアップを重ねることで中小企業向けのソリューションにも流用できるからだ。現在の軽流は大口顧客からの収入が30~40%を占め、今年の売上高は前年の4倍に達する見込みだという。
今回の資金調達後、軽流はさらに業界特化のソリューションを中心に製品開発を強化し、より多くのコンサルティング会社や垂直的な業界のソフトウェアベンダーと手を組み、協力的なエコロジーを構築していく。また、複数の大学機関と連携をとり、人材育成や採用にもより注力していく。
(翻訳・愛玉)
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